『私、雅子様と同じ症状なんです』 (梨元勝著/音羽出版)

新疾患で経過を誰でも知っている代表は雅子様

 当センター松井孝嘉理事長は、雅子様発症以来、何とかして差し上げたいと心を砕いてきた。その松井理事長を取材した『私、雅子様と同じ症状なんです』という本が発行された。
これは梨元勝氏が最後の特大スクープとして手掛けていたもの。松井理事長が新疾患「頚筋症候群(頚性神経筋症候群)」を発見した。この病気の特徴はたくさんの不定愁訴(身体症状)と精神症状の2本柱の症状が出るところにある。
 精神症状は新型ウツ(自律神経性)で、重症でも入院治療で1~3週間(平均2週間)で治っている。精神病ではない新疾患だ。身体症状は1~3カ月で治っている。
 症状経過からみて、雅子妃がこの新疾患の代表であると考えられる。何の副作用もないので雅子様も試してみるべきだ。
 今、東京脳神経センターで治療しているメインの疾患「頚筋症候群」について、わかりやすく解説しているので、本書はこの新疾患を理解するのに大いに助けとなるでしょう。

定価(本体1,300円+税)音羽出版 

本書の内容

① 雅子様に似た典型例の症状経過が4例体験記として示されている。

【症例1】たくさんの不定愁訴とウツ(45才/女性)
● 「怠け者だ」「仮病じゃないか」と言われて

 私は、この病気と20年間闘い続けて、“刀折れる矢尽きる”寸前に松井先生の書かれた本に出合ったのです。あの本に出合わなければ、今ごろ私は、この世に存在していないと思います。
 私は25才のとき、突然激しい動悸とメマイに襲われました。これはこの病気の序曲でした。その後、たくさんの不定愁訴が追い打ちをかけてきました。
 微熱がひんぱんに出て、風邪気味になり、身体がだるく、昼間でも横になっていることが多くなってきました。37度台の微熱が続くのです。どこの病院へ行っても、どんな検査をしても結果は「異常なし」。原因が分かりません。
 頭痛、便秘、嘔気、冷え、何ともいえない身体のだるさ、肩こり、光がまぶしい、目の痛み、不眠など、体中の不調が出てきました。これらの症状は天気の影響を受けやすく、雨が降る前は特に強くなり、家で寝込んでしまうのです。
 それでも、比較的気分の良い日には、友人とお茶をしたりする日もありました。すると、家族の見る目が厳しさを増してきました。
「いつも仕事をしないで寝込むほどの強い症状があるのに、友達と遊びに行くなんて
 家族はあきれて、「怠け者だ」「仮病じゃないか」などと言うようになりました。
 体調の悪いときは、本当に、死ぬほど辛いのです。さらに、首と肩が痛くなりました。痛みに耐えかねて整形外科に行き、X線検査やMRI検査をしてもらいましたが、骨にも椎間板ついかんばんにも、どこにも異常はありません。
 ていねいに首や肩の筋肉の診察をしないのに、ドクターから厳しく言われました。
「怠けているんじゃないよ。仕事はできるはずだから、もっと精神を強くもって頑張りなさい」
「全身のトレーニングをして鍛えなさい」
 整形外科だから、首や肩の筋肉をよく診てくれると思っていたのに、どうなっているのか疑問をもちました。精神的な問題ではないのです。本当に身体がだるく、何かが起きているのは、自分でも確信を持っていいました。でも、分かってもらえません。このもどかしさは言葉では言い表せません。

● 新しい症状を訴えるたびに増える薬

 そのうち、気分が沈みがちになり、身体がだるく、何もする気がなくなりました。体力も気力もなくなり、フヌケのような自分がいることに気づきました。
 心療内科を受診すると、ウツ病という診断。抗ウツ剤の服用が始まりました。新しい症状を訴えるたびに薬が増えていきます。多いときは27種類の薬を投与され、薬漬けの毎日でした。この症状が何年も続きましたが、全く良くなる気配はありません。
 身体がだるく、1日中ゴロゴロ寝ている毎日が続き〝生けるしかばね〟という状態でした。体中に出ているたくさんの不調が、それぞれ強くなったり弱くなったりします。でも、ウツ病以外の診断はされません。
 死ぬまでこのままの症状が続くのであれば、私の人生はどうなってしまうのかと悲観的になり、死んでしまおうと何度も考えました。山手線のホームから飛び込み自殺まで考えたとき、新聞で松井先生の本を知りました。これが人生の分かれ目になりました。
 その本を読んでみると、すべての症状が私の症状とピタリと一致しました。誰も分からなかった病気を、松井先生が発見してくれたのです。私はこの新しい病気が治るという、確信に近いものを感じました。
 しかし、外来が混んでいるため、すぐには診察を受けられません。こうして6カ月後に予約が取れて、東京脳神経センターで松井先生に診ていただきました。その時、先生から、温かい言葉をいただきました。
「長い間辛い思いをされましたね、もう大丈夫ですよ。必ず治ります」
 この言葉を聞いたとき、不思議と前向きな気持ちになりました。
「入院しますので、ぜひ治してください」
 私は、家族に相談する間もなく、すぐ先生にお願いをしました。

● 20年も続いた辛い症状がわずか2カ月で完治

 入院5日目、あれほど続いていた頭痛、頭重感がすっかり取れました。今まで経験したことのないスッキリ感に、初めて気づきました。2週間目には、気分の落ち込みが完全に消えて、ウツ症状はすべてなくなりました。入院以降、抗ウツ剤を徐々に減らして、4週後には完全に抗ウツ剤の服用を止めました。
 体にたくさん出ていた不定愁訴の症状は、明らかに毎日のように軽くなっていきました。そして入院2カ月には、問診表に全くチェックが入らないようになりました。20年間も続いていた辛い症状は、わずか2カ月の治療で完治したのです。
 まさか、こんなに早く治るとは夢にも思っていなかった。わたしは、信じられない気持ちでいっぱいです。松井先生が新しい病気を発見してくれなかったら、私はどうなっていたのでしょうか。いま思うとゾッとします。
 松井先生は、私にとっては神様です。

(本書47~51ページ)
【症例2】雅子様と同じ女性キャリア(35才/女性)の体験記
illust1
● 首が長く、勉強を辛抱強くする頑張り屋

 私は中学生のころから、肩こり、首こりが始まり、その痛みに悩まされ続けてきました。中学時代から、机の前に座ってうつむき姿勢で長時間にわたり本を読み、勉強を辛抱強くする頑張り屋さんでした。勉強のかいがあり、東京大学に入学、卒業後は上級国家公務員試験にも合格して、順風満帆まんぱんの生活が始まると思われていました。その矢先に、私の苦悩は始まりました。
 大学卒業後から、パソコンを使う時間が長くなりました。そのせいか、首と肩のこりがひどくなり始めました。時間が経つにつれて痛みに耐えられなくなり、マッサージやカイロに行かなければならなくなりました。
 私は、竹久夢二の絵に出てくるような、昔風の純日本型の体型で、首が細く長いなで肩です。着物を着ると、「本当に着物がよくお似合いですね」と、いつもおめの言葉をいただいていました。
 静かに本を読んでいたある日、急に動悸がして脈が速くなりました。私はびっくりし、循環器内科を受診して、いくつもの検査を受けましたが、診断がつきません。担当医が指定した薬を飲みましたが、相変わらず動悸は続きました。
 循環器内科で心療内科の受診を勧められました。受診した結果は、「パニック障害」との診断でした。ただ動悸がしただけで、発作もないのにパニック障害…。私はこの診断に納得がいかず、誤診だと思いました。それでも治療を受け続けていましたが、ときどき脈が速くなる症状は、以前と変わりません。
 その後は次第に、体調不良となり、吐き気、全身倦怠、微熱、メマイ、立ちくらみが続き、いつも頭が重く、ときどき耐えがたい頭痛に襲われました。ドライアイ、ドライマウス、不眠など、次々と新しい症状が出てきました。

● 「姿勢が悪いからだ!」「甘えるな!」

 首の痛みはひどくなり、パソコン作業ができなくなり、下を見るだけて吐き気がします。首の後ろの筋肉が固くなり、ついに頭を上方に向けることができなくなりました。私は、常々これまでの診断・治療に問題があると思っていました。そこで数カ所の整形外科を受診すると、今度は怒鳴られる始末です。
「姿勢が悪いからだ!」
「甘えるな!」
「他の病院へ行っても、この診断や治療法が変わると思うな!」
 それはきつい言葉でした。
 私の症状は天候に左右されることが多く、雨が降ると首の痛みと体中の症状が強くなります。そうこうしているうちに、まともな日常生活ができなくなりました。
 でも、私は運がいいのかもしれません。松井先生の本を見つけて、新しい病気があることを知りました。後日、東京脳神経センターを受診して「CNMS(頚筋症候群)」が確認されました。
 こうして私は、香川県観音寺市の松井病院へ入院しました。入院から数週間で、モヤモヤしていた精神症状はスッキリしました。その後、体のあちこちに出ていた不定愁訴は、次々と気持ちよく消失していきました。
 松井先生の治療を受けるまで、循環器内科、整形外科、耳鼻咽喉科、神経内科、眼科など20以上の病院で診察を受けました。そこで言われた、
「遊んで気晴らしをすれば治る」
「ハードトレーニングをして、もっと身体を鍛えなさい」
「当科では、あなたを治すことはできません。精神科しかありません」
という言葉を思い出すたびにゾッとします。
 治療をできないドクターほど、ひどいことを言う。その言葉を思い出すたびに、未だに許せない気持ちでいっぱいです。
 仕事の関係で1カ月しか入院治療はできませんでしたが、ほとんどの症状は取れました。仕事の都合で短期間しか治療を受けられなかったので、首の筋肉の異常はまだ残っていて、松井先生から完治のお墨付きは、まだいただいておりません。

(本書53~56ページ)
【症例3】夫より背の高い女性(42才/女性)の体験記
● 薬漬けの毎日で6年間も治療

 13年前から体調不良が始まりました。メマイ、フワフワ感が始まり、便秘、頭痛、全身倦怠、肩こり、首こりが出てきました。その度に、いろいろな病院を受診しました。内科5カ所、消化器科3カ所、整形外科3カ所、婦人科3カ所、甲状腺科、耳鼻咽喉科3カ所、眼科2カ所と診察を受けました。しかし、結果はどこも明確な診断ができません。
 一晩睡眠がとれているのに、朝起きたときに身体が重くだるくて、起きられない。そして、体の中に鉛が詰まっているように重い。人混みの中にいるとき急に脈が速くなり、息苦しさに耐えかねて救急車で病院に運ばれ、診断の結果パニック障害と診断されました。その時は、死ぬかと思いました。
 その後、ウツ症状が出たため、最後の期待を込めて精神科に通うと、抗ウツ剤とカウンセリングの治療を受けました。しかし、良くなりません。精神科では、ドクターが十分に話を聞いてくれないのです。私のことを分かるはずがないのに、
「あなたは、こうこう、こういう人だ」
「あなたはこう考え、こういうように思っている」
 と、勝手に決めつける。
 私は、全く間違った判断をされて、かえって精神的に追い詰められて、不愉快な思いをさせられました。とても病気が治るとは思えなかったのに、症状を一つ言うたびに、薬がどんどん増えていく。まさに薬漬けの状態になりました。途中で病院を変えましたが、原因が分からず、診断がつかないのです。どこの病院でも、同じような薬漬けの治療で、6年間も納得できない治療を受ける毎日が続きました。
 慢性疲労は相変わらず続いていました。ほとんど毎日のように頭痛、首こり、肩こり、フワフワ感、食欲不振、ドライアイなどの症状が続き、薬がますます増える生活が続きました。
 友人からのアドバイスを受けて、甲状腺の専門病院にもかかり、いろいろな検査を受けましたが、結果は「異常なし」。抗ウツ剤を飲み続けているのに、慢性疲労は改善の兆しがみられません。薬を中止したいと思いましたが、副作用によりさらに悪くなることが怖くて、辞められなかったのです。

● 子供も産めない、死んでしまおう

 その間も、ウツとは関係ない体調不良の症状が出ました。数カ所の病院を受診しましたが、治りません。家族からは「どこも悪くないのに怠けている」「精神がたるんでいる」となじられます。病院の診察で「異常がない」と言われると、「それみたことか!やっぱり、怠け者だ」と言われ、ますます孤立感が深まりました。
 誰にも分かってもらえない。「一生、このままだったら…」と思うと、耐えられなくなり、死んでしまおうと思うことも、たびたびありました。
 抗ウツ剤を服用し続けていると、子供も産めません。本当に死のうと決意しましたが、最後は五体満足に生んでくれた両親に申し訳なく思い、何とか思い止まりました。
 病院巡りをしているとき、ある病院の待合室にあった雑誌に目が止まりました。松井先生が新しく発見された「CNMS(頚筋症候群)」の記事でした。
 雑誌で紹介されていた本を買って読むと、私のことを見ていたのではないかと思うほど、書いてある内容が私の症状と一致しました。私は、パソコンの使い過ぎで首の筋肉を痛めたことはありません。頭を打ちつけたり、ムチウチになったこともありません。何が原因なのか分かりませんでした。 illust2
 ただ一つはっきり言えるのは、私は夫より6cm背が高く、外で一緒にいるときは、できるだけ首をすくめて背筋を曲げていたことです。私はいつも前かがみの姿勢を取って、背を低く見せようと努力していました。
 東京脳神経センターを受診してから、新しい病気であることを確認しました。6カ月間待って、香川県観音寺市の松井病院に入院しました。
 入院2週間で、ドライアイ、眼精疲労、光が眩しいなど目の症状、便秘なども取れてきました。3週間目には、何もする気がしない、気分が落ち込むなどのウツ症状が、ほとんど消えました。気分が晴れ晴れするようになると、自然に笑顔が出るようになりました。4週間を過ぎたころには、不安感は全くなくなりました。パニックは二度と起きない、と断言できる状態になりました。
 これ以上、便秘、フワフワ感、冷え、のぼせ、食欲不振、微熱、頭痛、などの体の症状が次々になくなりました。あれだけ苦しんでいた症状が、ウソのように消えたのには、ただただ驚くばかりでした。
 肌の血色がよくなるにつれて、肌にハリやツヤが出てきました。もともと乾燥肌でしたので、油分が多い化粧品を使わないと、いつも肌はパリパリと乾燥しているのです。しかし、体調がよくなると、何も使わなくてもシットリと潤っています。
 シャワーを浴びたとき、肌にかかった湯滴が蓮の葉の上の水滴のように、丸くはじけるのに初めて気が付きました。入院してからはウツ症状から軽快な気持ちに転じて、抗ウツ剤を1錠ずつ減らしていきました。こうして、2カ月で抗ウツ剤を完全に断ち切ることができました。
 この病気を体験して分かったことは、ウツ状態は、死ぬほど恐ろしい病気ということです。体の症状は死ぬほど強い症状ではないのに、精神的に追い詰められてしまうのです。
 松井先生は、私達にとって、本当に救世主だと思います。

(本書60~64ページ)
【症例4】子供に当たる母親(41才/女性)
● 昼間から、ゴロゴロ横になって過ごす

 15年前から頭痛に悩まされ続けていましたが、12年ほど前からは頭痛が強くなり始めました。ズキズキとした痛みが頭を襲い、立っていられないほどガンガンとして、痛みが激しくなりました。しかし、どこの病院へ行っても、頭痛薬をくれるだけです。松井先生の発見された新しい病気の治療法に出合うまで、私は30カ所以上の病院を受診しました。
 9年前のある日、37・5度の微熱がありました。風邪気味の症状を併発していたため、内科にかかりました。すると予想通り、「風邪ですね」と診断されて、点滴をして薬を出していただきました。しかし、体のだるさは一向に抜けず、熱もなかなか下がりません。
 2週間でやっと熱は下がったのですが、その後も体のだるさは依然として続きました。同じ症状は何度も繰り返し出てきました。そのたびに、大きな病院で血液検査をはじめ、精密検査を受けましたが「異常なし!」という診断でした。
 そのうち、首もだるくなってきたため、整形外科でCT、MRI、レントゲンなど多くの検査を受けました。しかし、ここでも診察結果は「異常なし!」。すると、ある日の早朝、突然体がだるくなり、起きられなくなりました。体が重く、本当に立ち上がれなくなりました。そして、頭痛と共に息切れもするようになりました。
「少し早いけれど、更年期の始まりかしら」
 そう考えた私は、産婦人科を受診しましたが、ホルモンに異常はありません。
 そのうち、イライラが始まり、集中力もなくなり、物忘れが激しくなりました。体がだるくて何もしたくない…。昼間から、ゴロゴロと横になって過ごすことが多くなりました。そして、子供に当たり散らすことが多くなったのです。

● 子供たちに怒鳴り散らし、物を投げつけ、家事はできず

 この10年間、理由もなく不安な気持ちが続いています。夜は眠れなくなり、怒りやすくなり、急に腹痛が起き、いつもムカムカした吐き気があり、理由もなく涙が止まらなくなり、身体がだるくなり、激しい疲れが出てきました。さらに、胸の圧迫感や動悸も起こるようになりました。
 気分が沈み、何もする気がなくなり、たくさんの症状が次々に襲いかかります。それぞれの症状は強くなったり、弱くなったり、一時的になくなったり、繰り返し続きました。
 7年前から立ちくらみやメマイが始まり、地面が揺れて、横になってもグルグルと目が回る。耳鼻科を受診して、いろいろなメマイの検査を受けた結果、メニエール病と診断されました。メマイ止めの点滴のために毎日通院しました。
 この時、10数種類の薬を服用していましたが一向によくなりません。大きく天井が回るようなメマイはなくなりましたが、その後も、雲の上を歩いているようなフワフワしたメマイが続きました。
 自分ではどうしようもできません。体中の調子がおかしくなっているのに、どこの病院へ行っても「何も異常ない!」という診断。家族からは「怠け者」と言われ、気分がだんだん落ち込んできました。子供のちょっとした振る舞いや鳴き声で、イライラが止まらなくなります。私は、死にたい気持ちになりましたが、子供がいるので踏み止まりました。
 4年前からは、太陽の光が眩しく感じるようになりました。その眩しさは、次第に強くなりはじめ、曇りの日、雨の日でもサングラスを手放せなくなりました。さらに目の痛みなど、ほかの複数の目の症状が出てきました。
 その多くの症状は天候に左右され、雨の降る前にはいつも症状が強くなり、天気予報がよく当たることに気づきました。
illust3
「通院していくら薬を飲んでも、なぜよくならないのか
 イラついた私は気分が落ち込み、子供たちに気が変になったように怒鳴り散らし、物を投げつけました。家事は全くできず、食事の作れない日が毎日続きました。

● 2週間目には、気分の落ち込みがなくなる

 松井先生の発見した新しい病気を雑誌で見た主人から、東京脳神経センターを知り受診しました。初めてお会いする松井先生は、私の状態を優しく聞いて、はっきりおっしゃってくださいました。
「辛かったでしょうね。この病気は本人しか、その辛さが分からないのですよ。でも、もう大丈夫ですよ。首のこりが取れれば治ります。検査結果から判断すると、2カ月半~3カ月の入院が必要ですが、必ず治ります」
 入院して、治療を始めてから、精神的な症状が軽くなっていくのをすぐに実感しました。イライラや不安感が取れていき、2週間目には、気分の落ち込みもほとんどなくなり、やる気も出て、ウツの症状は全くなくなりました。
 松井先生にお聞きすると、入院治療を受けたほとんどの方は、入院1~3週間でウツ症状は完全になくなるとのこと。私は標準だったようです。
 微熱、首のだるさや身体のだるさ、胸の締め付け感、目の症状、動悸、不眠、全身倦怠、嘔気など、たくさんあった身体の症状は次第に軽くなり、消えていきました。身体も治療前と比べると、信じられないほど軽くなりました。
 1ヵ月目には、あれほど悩まされた頭痛も、ウソのようにスッキリ消えて、頭の重さも全くなくなりました。メマイ、ふらつきも消えて、入院時にフラフラ歩いていた自分が別人のように、しっかりと歩けるようになりました。
 18年間もあれほど多くの症状に悩まされ、死ぬほど苦しい思いをしていいたのに、わずか2カ月半で、全ての症状が消えました。私は生き返った気持ちで、ウキウキしながら家に帰れたのです。家に戻った私は、子供たちにもニコニコして接することができるようになり、優しい母親に戻ることができました。
 もし、松井先生が、この病気を治す研究をしていなければ、私は今ごろ、どうなっていたのでしょうか。松井先生の励ましの声が、神の囁きのように聞こえました。

(本書125~129ページ)

② 新型ウツのメカニズム

新型ウツのメカニズム(図)
(本書80~81ページ)
③ 雅子妃の症状・経過(新型ウツである10の証拠)
illust4
  • 1.日中から横になっていることが多い
  • 2.微熱が出て、風邪気味のことが多い
  • 3.天気が悪くなる前に症状が強くなる
  • 4.静かにしているのに急に脈が速くなる(心悸亢進しんきこうしん
  • 5.家族や周囲の人が、病気であることを理解ができない
  • 6.新疾患だからだれも治せない
  • 7.身体の不定愁訴が主で、精神症状よりも圧倒的に強い
  • 8.公務はできないが親しい友人とは食事やお茶に行ける
  • 9.肩こりがある
  • 10.病気の発病から今までの経過
illust6
(本書99~110ページ)
④ そして、雅子様の病気がなぜ治らないかという謎を究明している。

本書では、雅子様の病気が治らない理由について述べています。




本書の要約

最後に、本書の内容を要約している「まえがき」と目次を紹介します。

まえがき
● 雅子様と同じ病気の人が急増している

 恐縮です。梨元です。2004年に雅子様が体調を崩され、苦しんでおられるのを見聞きするたびに心を痛めていました。2006年、僕は20年以上親しくさせていただいている松井孝嘉博士(東京脳神経センター理事長)に雅子様の病状を訊いてみた。すると、大変なことが分かった。聞けば聞くほど、放っておけないと思った。
 取材を進めていくうちに、今の精神科、心療内科の医療には大きな間違いがあることが素人の僕にも理解できた。雅子様がなぜ治らないかということも納得がいった。診断が間違っているのだ。別の病気に別の治療をしているので治るはずがない。
 ところが、雅子様が治る可能性のある情報を宮内庁の医療関係者に提供しても、積極的に取り入れようとしない。その理由をさかのぼると、約20年前に行われた東京大学医学部の教授選に端を発していて、今なお尾を引いていることも分かった。雅子様の健全な治療をさえぎる〝白い巨塔〟の世界が存在していたのである。
 今の精神科では、ウツ症状があれば、原因の如何を問わず全部精神病としている。治療法は、抗ウツ剤とカウンセリング、それでも治らなければ電気ショック療法まで行っている。ここに大きな問題がある。そして、多くの犠牲者が出ている。

● 松井博士の自律神経(副交感神経)の治療法完成が医療の大改革をもたらした

 取材を進めていくうちに、松井博士が世界に先駆けて、自律神経失調の治療法を完成させたことが、すべての始まりだということが分かった。そこから新しい道が開け、新しい展開が始まったのだ。今、大流行しているウツは精神病の大ウツ病や躁ウツ病ではない。自律神経の異常で起こる新型ウツ病(自律神経性新型ウツ)だ。僕は自律神経の新治療法でウツ患者が95%以上、完治しているのを見届けた。精神病ではないのだ。
illust9 最近、雅子様と同じ病気の人は、確実に増え続けている。パソコン、ゲーム、携帯電話の普及で、首の筋肉の疲労・変性が起こり、自律神経(副交感神経)失調⇒体調不良(不定愁訴)⇒ウツという、自律神経の異常で起こる全く新しい病気(自律神経性新型ウツ)が増えている。この病気は、精神病とは全く別の首の筋肉が原因の病気だ。

● ウツの急増に今の精神科が対応できていないのは、大きな社会問題!!

 新治療法なら早ければ1~3週間でウツ症状が完全に取れるのに、精神科では抗ウツ剤などの薬を使い、5年、10年それ以上治療を続けている人が多い。薬漬けで良くならない患者さんが、東京脳神経センターへ続々と受診し、この問題が明るみに出たのだ。自律神経の新治療で完治しているウツと体調不良だった患者さんの多くを、僕はインタビューしている。
 精神病ではないのに、見当違いの治療を何年も受け続け、その間に体調不良の身体症状が強くなり、自殺未遂を繰り返している人が数多くいた。
 山手線のホームから、飛び込む寸前に助けられた人もいた。本当に天国にった人も大勢いるので、何とかしなければならないと思った。
 東京では、毎日のように電車の人身事故のアナウンスを聞く。首が原因のウツは自殺率が高い。自殺者の大半が、精神病ではない新型ウツ(自律神経性新型ウツ)だと分かった。今のウツ患者の90%以上も占めているこの新型ウツに、間違って精神科治療をしているためだ。これは大きな社会問題だ。1日90人もの人、年間3万人以上の人が自殺している。この大半の方は、治療を受ければ完治できることが分かった。

● 今の精神科治療は間違っている。ウツ症状が出れば全部精神病

 自律神経の異常で起こる新しい病気は、身体症状の不定愁訴と精神症状のウツが出る。身体症状と精神症状の二本立ての症状が出るのが特徴だ。
 雅子様は、身体の体調不良(不定愁訴)で公務ができないのだ。精神病のウツが原因ではない。体調不良が主体のウツは精神病ではない。
 精神病ではない別の病気をウツ症状があるからと、全部、精神病にしている。ここに大きな誤りがある。その数は徐々に増えて、ウツ患者の90%以上に達している。
 見当違いの治療で何年も引っ張られ、薬漬けにされた挙げ句、自殺に追いやられている人がいかに多いか。この新型ウツ病はウツ症状よりも身体症状が圧倒的に多い。そして、自殺率が非常に高い。精神病の大ウツ病より恐ろしい病気だ。
 精神科医は、どんな治療をしても取れなかった身体症状(不定愁訴)を、「ウツの随伴症状だ」と言い張ってきたそうだ。松井博士の自律神経失調の治療法の発見により、どうしても取り除くことができなかった身体症状(不定愁訴)が、今では簡単に取れるようになった。
 しかも、その95%はウツも一緒に取れることが分かった。今までの精神科のウツ理論が、大きく変わらざるを得なくなった。
 フランク永井さんの取材で通った香川県観音寺市の松井病院(この新しい病気の症状が重い、または短期間で治したい場合、入院する病院)に、僕は何度も通って取材を続けた。重症の患者さんは、この病気の治療のため、全国をはじめ、欧米からもやって来て松井病院に入院している。世界的にみても松井病院は、この病気のメッカになっている。
 首の筋肉の治療でウツが治った多くの患者さんを取材して、僕は本当に驚いた。

● 新治療法で95%以上完治している

illust8 取材を続けていくうちに、僕は、雅子様もこの病気に間違いないという確信をもった。雅子様より重症だった多くの患者さんが、新しい治療法によって別人のように生まれ変わっている。治った患者さんは、「本当に生まれ変わった」と、にこやかに楽しそうな表情で、あれもしたい、これもしたいと意欲満々だった。体調が良くなり、自然な笑顔がわき出て、若さを取り戻し、別人のような生活を送っている。重症だった患者さんが完全に治り、続々と退院しているのを僕はこの目で見ている。

 治療前には、昼間からゴロゴロと横になり、自宅から出られず〝生ける屍〟状態だった人さえいた。この状態が10年以上、いや15年以上続いた人もいる。微熱が出て、体調不良の人が多く、体がだるく、不安のために症状は激しく変動していた。
 便秘や胃の不調の消化器症状、光がまぶしい・目が痛い・目が疲れやすいなどの目の症状、頭痛、ふらつき、原因不明の微熱、メマイ、冷え、吐き気、不眠など、体中に体調不良があった。これが不定愁訴だ。
 不定愁訴は自律神経失調の症状で、神経内科、眼科、循環器科、整形外科、耳鼻咽喉科、消化器科、脳神経外科などの、たくさんの症状が一人の患者さんに出る。しかし、どこの病院へ行っても、受診した科の症状を少し軽くする対症療法の薬をくれるだけ。だから、根本的に完治できない。どこの病院の外来でも、4人のうち3人までが不定愁訴の患者さんで占められている、といわれている。
 ドクターも不定愁訴は治療法が分からないので、診察したくない。「異常なし」と診断するか、適当な対症療法の薬を出して、患者さんに早く帰ってもらいたいと思っていることが多いそうだ。

 この不定愁訴をたくさんもっている人がウツになる。このようなウツがあることを、初めは僕も信じられなかった。なんと、これは首の筋肉が原因だった。首の筋肉とウツの関係がどう考えても結びつかない、誰も思いつかないことだった。しかも、このウツは精神病の大ウツの何倍も自殺志向が強いそうだ。
 松井博士は約30年かけて、この関係を解明している。重症のウツ患者をどんどん完治させている。取材をしていくうちに、僕は松井博士に脱帽した。

● 自律神経治療で不安、ウツ、疲労、不定愁訴が完治

 松井博士は、自律神経失調の治療法を世界で初めて発見した。自律神経失調の働きが正常になると、新型ウツや疲労、不安などの症状が消えることも発見した。
 不安が原因で起こるパニック発作や原因不明の疲労症状が主体の慢性疲労症候群も、ほぼ100%治っていることを取材で確認した。ウツも95%以上、完治していた。
 この噂を聞きつけて、日本中はもちろん、フランス、イギリス、ノルウェー、オランダ、アメリカなどの欧米やメキシコ、台湾などからも患者さんが治療に来ている。入院は1年待ちの状態だ。
 この新しい治療法は新疾患のため保険点数も決まっていない。極めて安い治療費のために赤字が続くが、松井博士は黙々と頑張っている。その姿に僕は再び脱帽した。
 雅子様と同じ症状、同じ経過の患者さん、そして、もっと症状の重い人が爆発的に増えている。しかし新しい治療法で、この新疾患の患者さんが次々に治っているのを、僕は目の当たりにした。
 僕は松井病院に何度も足を運び、退院時の患者さんのインタビューや体験記で確認している。何度も、感動的で奇跡的なシーンに 遭遇そうぐうした。
 日本中の人は、雅子様の病気の報道以来、本当に心配していた。取材をすればするほど、雅子様は松井博士が発見した新しい病気に間違いないと、僕は確信をもった。雅子様も新治療を受けられたら、間違いなく完治すると思う。早く、満面の笑みを国民に見せていただきたい。ぜひとも、新治療を受けられることをお勧めする。
 そして、雅子様が全快されると、この新しい病気で苦しんでいる多くの人が、自分も治るのだからということが分かり、多くの尊い人命が救われる。
 このレポートは梨元勝、一世一代の特大の大スクープです。

2010年8月   梨元 勝
皇太子徳仁親王妃
雅子妃殿下

(本書2~10ページ)

(※ 梨元勝氏は2010年8月21日、肺がんで逝去。闘病生活にあって、亡くなる直前まで取り組んだ渾身のスクープは、音羽出版編集部により2012年10月完成)

目次
● 第一章 雅子様は「精神病」ではないのに「精神科医」が主治医だから治らない
レポート1雅子様は自律神経性新型ウツの典型
レポート2雅子様は間違った治療を受けている
レポート3主治医の大野医師の責任は大きい。任命者の金澤一郎医師も同罪
レポート4雅子様を治そうという気持ちはみられない
 東大神経内科教授選にみる金澤医師の人物像
レポート5「適応障害」の発表前から治療しても治せない
 大野医師を替えないと、雅子様は治らない
レポート6雅子様と同じ症状の患者さんは続々完治している
レポート7学生時代は大変優秀な学生だった雅子様
レポート8雅子様は皇太子様より背が高いことも関係がある
レポート9雅子様と同じ症状の患者さんは多い
レポート10雅子様の報道を東京脳神経センターで分析
レポート111000もの記事を分析すると自律神経性新型ウツ
レポート12頚性神経筋症候群(CNMS)に当てはまる報道記事からみる雅子様の症状
番外レポート自律神経失調症の原因解明・治療法が開発された
 松井博士はノーベル医学賞の全身用CTスキャナー開発陣の一人
● 第二章 雅子様が自律神経性新型ウツのこれだけの証拠
レポート13今の精神科、心療内科のウツ診療は間違っている
レポート14雅子様がCNMSの「自律神経性新型ウツ」である10の証拠
レポート15「気分が落ち込む」「何もする気が起きない」は二大症状
レポート16雅子様にはCNMSの身体症状がたくさん出ている
レポート17今の治療では回復は望めない
レポート18「ウツ病」は精神病なので、「適応障害」という病名を付けた
レポート19具合が悪いと子供に当たることもある
レポート20雅子様のCNMSは重症
レポート21皇族だから治療が受けられないのは、理解できない
レポート22自律神経性新型ウツの治療法は、副作用がなく安全
レポート23間違ったウツ治療で、助かる人が自殺している
● 第三章 自律神経失調の治療法が世界で初めて発表され、変わったこと
レポート24ドクターは原因の分からない病気は診たくない
レポート25世界初の自律神経失調の治療を発見
 「首の筋肉」が原因の病気は医学の盲点だった
レポート2630の問診の症状
レポート27自律神経性新型ウツは「気分が落ち込む」「何もする気が起きない」という
 二大症状と「理由のない不安感」
レポート28原因不明の病気はすべてストレスのせい
レポート29CNMSの原因と予防法
レポート30外傷を忘れたころにウツ症状、血圧不安定が出る
レポート31神経症状が出ない「肩こり」、多彩な症状が出る「首こり」
レポート32首の筋肉の治療が終わるとスッキリ、体力も気力も出てくる
レポート339100万人の外来患者の4分の3は、不定愁訴の患者さん
● 第四章 自殺志向者を救う自律神経性新型ウツの治療法
レポート34治療法がなかった病気の原因は、首の筋肉の異常だった!
レポート35頚性神経筋症候群(CNMS)の命名は故・佐野圭司東大名誉教授
レポート36自律神経性新型ウツは、最後に自殺志向に陥る!
レポート37自律神経性新型ウツは、自律神経失調症から起こる不定愁訴が原因
レポート38CNMSの治療の中心は、物理療法
レポート39治療の主体は、特殊低周波の理学療法
レポート40低周波治療は、波形が特殊な治療器を使用
レポート41短期間で治す入院、長期間かかる通院治療
レポート42自覚症状が消えても、治療をやめないことが大切
(本書より)