原因不明の体調不良、自律神経が原因かもしれません。

頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ状態、パニック障害、ムチウチ、慢性疲労、胃腸不良、難治性の更年期障害・・・こんな不調に悩んでいませんか?長年、自律神経失調の治療に携わってきた松井孝嘉先生は、こうした不調の原因が「首(自律神経)」にあることを、著書や研究論文などで発信し続けています。その知られざるメカニズムと、みるみるカラダがよみがえる治療法&予防法の一部を、その著書よりかいつまんでご紹介します。

自律神経には「アクセル」と「ブレーキ」がある

よく知られるように、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」とのふたつがあります。

交感神経は、心と体を「がんばるモード」にシフトする神経です。これを「戦闘モード」と言い換えてもいいかもしれません。

この神経は、仕事で緊張したときや身の危険を感じたとき、スポーツや人間関係で何かを争っているときなど、“ここぞ”というときに優位になります。そういった場面でより力を生み出せるよう、心拍数や血圧を上げ、呼吸を速くし、血管を収縮させて、心と体を焚きつけるように働くのです。

これによって胃腸の動きは鈍くなります。言うなれば交感神経は、よりがんばるための「心身のアクセル」のような役割を果たしているわけです。

一方の副交感神経は、心と体を「リラックスモード」にシフトする神経です。

こちらの神経は、安心してくつろいでいるときや寝ているとき、気持ちが癒されているときなどに優位になります。よりゆっくりと休めるように、心拍数や血圧を下げ、ゆったりした呼吸にし、血管を拡張させて、心と体を落ち着かせるように働くわけです。

これによって胃腸の動きは活発になります。副交感神経は、よりリラックスするための「心身のブレーキ」のような役割を果たしているといっていいでしょう。

なお、この「アクセル」と「ブレーキ」は、両方がバランスよく使われていてこそ、うまく機能するものです。車やオートバイなどもそうですが、スピードを上げたいときは「アクセル」を踏む、スピードを落とすべきときは「ブレーキ」をかけるといった絶妙のコンビネーションが成り立っていて、はじめてうまく運転できるものです。

それと同じように、人間の体も「交感神経というアクセル」と「副交感神経というブレーキ」をバランスよくかけることができないと、自分という“車体”をうまく乗りこなせないようにできているわけです。

しかし、この「アクセル」と「ブレーキ」がうまく機能しなくなったら、いったいどうなることでしょう。スピードが出すぎたり、ブレーキが利かなくなったりすれば、自分という“車体”が操縦不能になって、あっという間に事故や問題を起こしてしまうのではないでしょうか。

すなわち、自律神経の失調状態とは、このように「交感神経=アクセル」と「副交感神経=ブレーキ」のバランスがとれなくなってしまった状態のことを指しているのです。

首の筋肉異常をきっかけとして、「アクセル」と「ブレーキ」の配線が混乱を起こし、「胃腸の調子がおかしい」「動悸や息切れがする」「体温がうまく調節できない」「血圧が安定しない」といったさまざまな“故障”が、次から次に“車体”のあちこちに出てきてしまうわけです。

「首こり」が自律神経を乱す

では、首疲労による自律神経失調では、「アクセル」と「ブレーキ」にどのような問題が生じているのでしょうか。

これは、どうやら「ブレーキ」側に問題があるようです。

副交感神経のほうが失調をきたし、その結果、相対的に交感神経のほうが優位な状態が続くことになってしまう。すなわち、「副交感神経というブレーキ」の利きが悪くなったために、結果的に「交感神経というアクセル」をずっと踏み続けているような状態になってしまうとみられるのです。

これは人間の心身にとって、たいへん危険な状態です。交感神経は“ここぞ”というときに「戦闘モード」になって力を出すためのシステム。それが「アクセル」を踏みっぱなしで、常時「戦闘モード」のような状態になっていては、心も体もすぐにエネルギー切れになって燃えつきてしまいます。

休みたくても「ブレーキ」がうまく利かないから休むこともできない。それで、心身が疲弊しきって“燃えカス”がくすぶっているような状態のまま、延々と走らされるようなハメに陥ってしまうわけです。

こんなひどい状態では、心や体の機能が大きく落ち込み、さまざまな“故障”が発生するのも当然でしょう。

自律神経失調症というのは、このように心と体のコントロール機能がアンバランスになってしまう病気なのです。

ちなみに、自律神経失調症は、長らく“治療のしようがない病気”と見なされてきました。病院を受診しても、たいていは当面のつらさや痛みをごまかす薬を出されるだけ。その薬が切れればまたつらくなるうえ、神出鬼没というほどあちこちにいろいろな症状が現われるのです。

それで、体のあちらこちらで悲鳴が上がるたびに、薬に頼って症状をごまかす。そんな“堂々巡り”を繰り返すうちに、すっかり“薬漬け”になってしまう患者さんもたくさんいらっしゃいました。

しかし、その病気が首の筋肉疲労をとることによって“完治可能”となったわけです。現在のところ首疲労治療は、自律神経失調症を根治させることのできる治療法といっていいでしょう。
◆自律神経機能を検査する「自律神経ドック」

松井先生 近著:自律神経が整う 上を向くだけ健康法

自律神経失調にならないために・・・ 首をケアして自律神経を整える

今回は、松井先生の著書「自律神経が整う 上を向くだけ健康法」より、抜粋してご紹介させていただきます・・・・・・
日本人はもともと猫背の人が多く、ノートパソコンやスマホをのぞき込むことによって、首の筋肉は過剰に疲労しています。しかも、40年、50年と年を重ねるごとに、首の筋肉は異常を起こし、消耗は激しくなります。

 朝、目覚めたら会社に行けないほどの疲れを感じることもあるでしょう。ですから、日常の頸のケアが欠かせないのです。首のケアによって自律神経のバランスが調整されると、眠りが深くなり、朝の目覚めがすっきりします。緊張とリラックスの気持ちの切り替えが行いやすくなり、疲れが溜まりにくい体をつくることができます。

 首のケアで、便秘・下痢の症状が治ったり、肌の状態がよくなったりするという声を非常によく聞きます。それは、自律神経のひとつである副交感神経の働きを活発にするからです。副交感神経の働きを活発化することで、交感神経と副交感神経のオン・オフの切り替えがうまくいき、何ごとにも充実感を味わえるようになり、気持ちも上向きになります。

 首のケアとは、ジョギングのように意識して行う運動ではなく、日常の習慣の中で無意識に行う「クセ」にすることが重要です。「軽い頭痛だ」「よくあるめまいだ」「たかが便秘だ」とばかにしているうちに、首こりは悪化し、症状は重くなり、様々な不調が出てまともな日常生活が送れなくなります。

 ひとつの症状がドミノ式にほかの症状を呼び込むのです。頭や目の働きもにぶり、次第に体を重く感じるようになります。

 現代に生きる私たちは寿命を長らえる「長寿」を得ることはできましたが、ほんとうに必要なのは、心身ともに快適に人生を送る「健康長寿」です。そのためには自律神経のコンディショニングを常に心がけることが肝要です。

 そして、そのもっとも簡単な方法が「首がこらない生活習慣」をつくることです。

・・・・・・この首のケアや首がこらない生活習慣、そして首こりの典型的な諸症状などは書籍で詳しく触れていますが、基本的には「下向きを続けない」「15分に一回は首の筋肉をゆるめる」「首を冷やさない」「首を温める」などです。下向きの典型は、職業ですとネイリスト、美容師さん、歯科医、料理人、文筆業などなど。特に小説家は下向きが多いため、首こりによるうつや不調が多い傾向にあります。

 また家事やデスクワーク、受験勉強も首こりリスクを内在していますので、注意が必要です。

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自律神経が整う 上を向くだけ健康法

多くの人が悩む原因不明の体調不良、それが不定愁訴

数多くの方が、原因不明の体調不良で苦しんでいます。
・いつも頭が重く、病院に行っても原因がわからない。
・首、肩、背中が痛くて整形外科に行っても異常なし。
・船に乗っているようにフワフワするので耳鼻科に行っても異常なし。
・吐き気、胃部不快感で内科に行き内視鏡検査でも異常なし。
・目が疲れやすいので眼科に行ったが異常なし。
・慢性的に微熱があり血液検査でも異常なし。
・動悸に悩み心臓や循環器系の病院を受診したが異常なし・・・などなど

このように体の不調を感じて病院にかかっても、その原因が特定できないことがとても多いのが現状です。こうした、さまざまな自覚症状があるのに、検査をしても原因が判明しない症状のことを“不定愁訴(ふていしゅうそ)”と呼びます。

全国の病院のおよそ7割が、こうした不定愁訴の患者さんだと言われています。

原因がわからないため、治療のしようもありません。そこで、症状を和らげるための薬が処方されるだけになります。これでは、その場しのぎにしかならず、薬の効果が消えるとまた同じ症状が発症してしまいます。根本的な原因を取り除かない限り完治することはできないのです。

特に「ムチウチ症」「慢性疲労症候群」「自律神経失調症」「頭痛」「めまい」「更年期障害(難治性)」「うつ」「パニック障害」といったものは病気の原因も、発症のメカニズムも解明されていない厄介な病気とされています。

そして、原因がわからないためあちこちの病院にかかった挙句、最終的には心療内科や精神科に行くようすすめられることになります。 こうした原因不明の体調不良「不定愁訴」が、実は自律神経の異常が原因だった・・・というケースが多く見られます。

「首こり」が不定愁訴を発症させることを説明した記事
■ “首こり”から頭痛、めまい、うつ、自律神経失調症が発症する。