“首こり”と“うつ症状”の関係性。

今の精神病としての「うつ」診療とは

「心療内科」あるいは「メンタルクリニック」という看板を、街中でよく見かけるようになりました。今まで精神科の看板を掲げていたのが、よりソフトなイメージを出すようになりました。

こうしたクリニックは大はやりです。東京では、ひとつの大きな駅につき、周辺に5~10ヵ所くらいの心療内科やメンタルクリニックがあるほどです。そのため従来の精神病院に勤務する医師は少なくなり、精神病院は逆に困っているのだそうです。

たしかに、以前のような入りずらさはまったくなくなりました。それだけ心の病が誰にも身近なものになったのだと言えます。中でも、近年爆発的に増え続けているのが「うつ」症状に悩む患者さんです。 ... 続きを読む

“首こり”が、 どのように自律神経失調症に影響するのか?

首は神経のスクランブル交差点

首の筋肉の異常が、どのようなメカニズムで自律神経に影響を与えているのかは解明されておらず、いまのところ推測の域を出ません。ただ、はっきりしているのは、首の筋肉のコリ(首こり)を解消すると、自律神経失調症の諸症状が治癒するという現実です。

このことに関しては、原因不明の体調不良『不定愁訴』で入院した患者さん1,863名に対し、頚部筋群への局所療法を行なった結果、退院時には不定愁訴28症状が50%以上の回復率を示しました(下記グラフ参照)。
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自律神経失調症と首こり(首の筋肉)

自律神経失調症は治療の決め手がない?

相反する作用を持つ交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経が変調をきたすと、動悸、めまい、息切れ、手足の冷え、全身倦怠感、頭痛、頭重、肩こり、不眠、イライラ感など、さまざまな症状が現れてきます。

通常の検査をしても、体にはこれといった異常は見当たらない。このような状態を、ひとまず「自律神経失調症」と呼んでいるわけです。

自律神経のはたらきを司っている中枢は、脳の視床下部ということろにあります。この部位には、不安、恐怖、怒り、快・不快などの情動の中枢もあるため、自律神経は感情の影響を受けやすいのです。 ... 続きを読む

自律神経失調症とはどのような病気なのですか?

自律神経で体の自動調節が保たれています。

私たちの神経系は、大きく中枢神経系と末梢神経系とに分けられます。
中枢神経は、脳と脊椎から成り立っていて、脳は頭蓋骨に納まり、脊椎は脳から垂れ下がるような形で頚椎の中を通っています。

末梢神経は脳や脊椎に発し体の各部に及んでいる神経で、大きく分けると、体性神経と自律神経の2種類があります。

体性神経はおもに筋肉や骨格に分布し、体の各部の運動機能や感覚機能をつかさどっています。例えば手足を動かす、話をする、食事をするといった筋肉や骨を動かすときや、痛みや、冷・熱感などを脳に伝えるときに働きます。別名「動物神経」とも呼ばれている神経です。

一方、自律神経はおもに内臓や血管、分泌腺などに分布し、消化や呼吸、循環、代謝といった、生命を営んでいくうえで必要な生理機能を調節しており、自分の意思とは無関係に働く神経です。 ... 続きを読む

不定愁訴( 自律神経失調症 )は、 なぜ女性に多いのか?

女性は首の筋肉が弱い。

頭の重さは男女でそれほど違いはありません。そのため、男性に比べて首の筋肉の量が少ない女性は、頭を支えているのが大変で、どうしても首の筋肉にこりを招きやすくなります。これが「首こり」のリスクです。

とりわけ、首が細くて長く、なで肩の女性は、見た目はとてもスマートで優雅に感じられるのですが、一方では首に大きな負担がかかっています。

さて、頚椎は7つの骨が重なってできています。通常、レントゲン検査で側面から頚部を撮ると、筋肉の発達している男性なら、筋肉に覆われているので、上からだいたい5つの頚椎までしか見えません。

しかし、ほとんどの女性では7つの頚椎全てが見えます。女性で肩と首の筋肉の弱い人は、7つの頚椎のほかに、さらに、胸椎の上から3つの骨が、なかには4つの骨が見える人もいます。一般的に、筋肉が細いのが女性の運動器の特徴ですが、首にもあてはまります。 ... 続きを読む

実は恐ろしい「スマホ首」の記事が、 2019年12月23日の読売新聞(西部版)朝刊に 掲載されました。

読売新聞(西部版)12月23日(月)朝刊に、ネッククリニック福岡で診察にあたっている松井医師の記事が掲載されました。記事のテーマは近年注目を集めている“スマホ首”です。

首こり博士として知られる松井孝嘉 医師は、約40年にわたり原因不明の体調不良の原因となる“頚筋”の治療や研究を続け、首の筋肉の凝りが自律神経の失調を引き起こし、さまざまな体調不良を発症させることを突き止めました。

これを頚性神経筋症候群(首こりにより発症する病)と命名し、近年ではスマホにより長時間下向きに首が固定されることで首こり病を発症することから「スマホ首」とも呼ばれ、話題になっています。

このスマホ首(首こり病)ですが、慢性疲労、うつ、パニック障害、めまい、動悸、冷えのぼせなど、様々な体調不良ばかりか、自殺念慮の引き金にもなり得るということが臨床結果から見えてきています。 ... 続きを読む

首のこり「首こり」が原因でうつを発症!? それが「首から“うつ”(頚性うつ)」

実は、うつ(気分障害)の多くは首・自律神経の治療で 改善させることが可能です。

松井医師は多くの臨床例より、首の筋肉異常によって発症する不定愁訴から「うつ」を発症することを突き止めました。そして、このことを「頚筋性うつ」と呼びました。首の筋肉異常が引き金となる頚筋性うつは「頚性うつ」あるいは「首からうつ」と呼ぶこともできます。

繰り返しになりますが、首の筋肉の異常が原因で不定愁訴(原因不明の体調不良)を発症し、さらに首の筋肉の異常が“うつ”を発症させるという、これまでに誰も想像することもなかったことが現実に起きていました。 ... 続きを読む

首こりと不定愁訴

動悸、めまい、多汗、不眠、下痢・便秘、ドライアイ・・・つらい症状があるのに、検査をしても異常なし、というケースは少なくありません。こうしたケースでは、検査で異常が認められないため、その症状を緩和する薬の処方だけということが多くなります。

上記のように原因がわからない体調不良を不定愁訴と呼びます。この不定愁訴は広辞苑と医学大辞典にも説明されていますのでご紹介します。

・広 辞 苑:明白な器質的疾患が見られないのに、さまざまな自覚症状を訴える状態。

・医学大事典:自覚症状が一定せず、その時どきによって変化する訴え。動悸、息苦しさ、発汗、頭重、不眠など多種多様であるが、自律神経系が関与する身体的な症状が中心である。幼児期から老年期に至る全ての年齢層にみられるが、初老期(女性では更年期)がいわゆる自律神経失調症にかかりやすいため、特定の病気がなくともしばしば認められる。

そもそも不定愁訴とはどのような状態なのでしょうか?またどういった症状が不定愁訴なのでしょうか?こうした基本的な疑問や、あまり知られていない問題に触れて行きたく思います。 ... 続きを読む

なぜ、首が重要なのか? <首には筋肉と神経が複雑に絡み合っている>

■首の上半分には神経が集中している
“首こり博士”松井孝嘉医師は、首の筋肉のこりを治すことで、原因のわからなかった、さまざまな症状が消えることを発見しましたが、その明確なメカニズムについてはまだわかっていません。

治療法が先に見つかった、と言ってもいいでしょう。このようなことは医学では珍しいことではありません。

まず、首がとても大切な部位であることをご説明したいと思います。

首は細く、日常生活や思わぬ外傷で最もトラブルの発生しやすい部位です。にもかかわらず、これまでは、首の筋肉に起因する病気はないとされてきました。医学での盲点でした。 ... 続きを読む

首こり病で自律神経失調となった患者さんは 誰も理解してくれない原因不明の体調不良に苦しみます。

『スマホ首病が日本を滅ぼす』より抜粋】

日本語には「肩に重圧がのしかかる」とか「重荷を背負う」という言葉があります。昔から、重荷に打ち勝とうと熱心に仕事をしていると、いつしか前かがみになり、猫背になって耐えしのごうとしてきました。

それは現代のパソコンを使った社会でも同じかもしれません。集中して仕事に打ち込めば打ち込むほど、頭が前方へとせり出し、背中は丸まり、少しうつむきながらの姿勢になっていきます。この時、肩や背中より、もっと重荷がのしかかっているのが首なのです。

首こり病にかかった時、病院などでは一般的にどのように対処しているのでしょうか。Aさん(30代半ばの女性)の発言を例に具体的に見てみましょう。

「内科、脳神経外科、整形外科、耳鼻科・・・いろいろな病院を回りました。結局、最後は心療内科に行かされました。心の病気、うつ病という診断でした」 ... 続きを読む