首こりが消えれば不調が消える。 首こりを治せば、間違いなく人生が変わる。

今回は・・・首こりと、パニック障害やうつ、慢性疲労など、深刻な自律神経失調症との関係について触れた『スマホ首病が日本を滅ぼす(ワニブックス)』から、その一部をご紹介します

自律神経とは、意識とは関係なく、生物が生きていくためのさまざまなからだの働きを自動制御するシステムです。「交感神経」と「副交感神経」をアクセルとブレーキのようにバランス良く使って、人間のからだの調子を整えています。

首は、脳と全身とをつなぐ通り道・・・しかも、とても細くて弱いパイプラインです。この細いパイプラインに、背骨、気道、食道、血管、自律神経を含む神経系などがきちっと収まって通っています。ところが、首の筋肉がこってしまうと、神経の働きに影響が出てしまうのです。

それはなぜか?

副交感神経の働きが悪くなり、自律神経のバランスが崩れ、働き方の調子が狂うと「自動運転」が上手く機能しなくなってしまうからです。

その結果、多くの場合、次の16の病気・症状のうちのどれか、もしくは複数があらわれます。それは、緊張型頭痛(後頭神経痛)、めまい(ふわふわ、ふらふらも含む)、パニック障害、更年期障害的な諸症状、動悸、慢性疲労、多汗症、不眠症、血圧不安定症、下痢・便秘、起立性調節障害などです。

これらの病気・症状は、いずれもからだの調節機能である自律神経の乱れによる病気・症状なので、まるで機械の調節つまみの位置がズレてしまったかのように、普段と比べてなんとなく調子が悪いという違和感を感じるようになります。

他人には自分のつらさがわかってもらえないことが多く、医療機関で検査を受けても、ほとんど異常なしという結果に終わります。そのようなことが患者さんを孤立させ、悩みを深くさせてしまうのです。

先ほどの諸症状は、まさに自律神経失調症の典型的な症状です。その症状が長く続いたり、ひどくなってくると日常生活にも支障をきたすようになり、やがて抑うつ状態へと陥るケースが少なくありません。

自律神経の乱れから発症する「うつ病」は、進行するにしたがって自殺念慮を持つようになるという特徴があります。まずは首こり~首こり病が発端となり、自律神経の乱れ(自律神経失調)、さまざまな全身の不調へと拡大し、精神も蝕んでいくという、この病気の仕組みを理解することが大切です。

そして、心身がそんな深刻な状態にならないように、からだの不調を感じたら、まずは首こり病を疑い、しっかりと診断を受けた後に治療することが大切です。しかしながら先ほどの諸症状・・・緊張型頭痛、めまい、パニック障害、更年期障害(難治)、難治性むちうち症、慢性疲労、ドライアイ、多汗症、不眠症、機能性胃腸症・過敏性腸症候群(下痢・便秘など)、機能性食道嚥下障害、血圧不安定症、VDT症候群、ドライマウス、起立性調節障害、そしてそれらを統合した自律神経失調症・・・・その先にある自律神経性うつ病、これらの病気・症状は、これまで治すのが困難だと言われていました。

しかし松井医師(東京脳神経センター理事長/ネッククリニック福岡・ネッククリニック大阪・ネッククリニック名古屋・ネッククリニック愛媛)が確立した診断法・治療法によって、よほど困難なケースを除いて、首こり病を治すことで治癒、改善または完治できるようになっています。
ワニブックス社「スマホ首病が日本を滅ぼす」より抜粋 )

■ 自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。

首こり病の原点である著書を充実化させた「スマホ首病が日本を滅ぼす」ご紹介

タイトルは「スマホ首病」となっていますが、世の数々の首こり関連書籍の原点ともいえる「首を治せば病気が消える」の内容を、最新の情報を追加するなどして充実化させたのが、この「スマホ首病が日本を滅ぼす(ワニブックス)」です。

首こり病の正式名称は、松井医師が学会発表した『頚性神経筋症候群(頚筋症)』。これは、首の筋肉の異常なコリにより12対ある脳神経のひとつ、迷走神経に影響することで、めまい、うつ、パニック障害、動悸、発汗、慢性疲労など、様々な原因不明の体調不良を発症します。

この「スマホ首」という言葉も松井医師が使い始めたもので、今やピップエレキバンはじめ、一般的にも使われ出しています。新書サイズで、とても読みやすいので、ぜひご一読いただければと思います。


【松井医師の言葉:著書より】スマホの爆発的な普及により、今までは考えられなかった奇異な社会現象が起きています。そのメカニズムと被害の実態について、日々多くの患者さんの首を診察するドクターとして警告を発します。あなたのからだと心を壊す“スマホ首”に警鐘を鳴らすのが本書の重要な目的のひとつです。

ダヴィンチ書評

■書籍はこちら 『スマホ首病が日本を滅ぼす』

うつ症状、慢性疲労、睡眠障害、ふらつき、動悸、パニック障害などなど・・・不定愁訴の原因

 体がだるい、頭が重い、フラツキがある、寝付きが悪い、気分が沈むなどの「不定愁訴」は、どの診療科を回っても確たる診断が下されず、最後には心療内科へたどり着くことが多い。しかし心療内科でも、睡眠薬や安定剤などが処方される対処療法がなされるだけで、根本治療とはほど遠いのが現状です。

 首こり博士・松井医師は、こうした不定愁訴の根底には、実は「首こり」があると見ています。専門的には頚筋(けいきん)が異常を起こすことで、副交感神経の働きが鈍くなるのです。

 電車に乗っていると、ほとんどの人がうつむいてスマホを見ている。パソコンを見る際も、たいていの場合、下向き加減になります。このように首が長時間下向きに固定されると、首の筋肉の使いすぎを招き、その結果「首こり」によって副交感神経の働きが影響を受けて不定愁訴リスクが高くなります。

 首の筋肉が異常を起こす原因は主に3つあり、「頭を打つ、むちうちなど外傷によるもの」、「スマホやパソコンなどを長時間使うことによる首の使いすぎ」、そして「元々首の筋肉が弱かったり、猫背などによるもの」と松井医師はみています。

そして近年ではスマホによる弊害が急速に増加しています。これについて松井医師は以下のように述べています。

 「スマホが登場した2010~2011年以降、首の筋肉に異常が見られる人が激増した。首の筋肉は、ある程度までは使いすぎても元の状態に戻るが、一定レベルを超えると固くなって伸び縮みできなくなってしまう。診察時に、骨や鉄のように首の筋肉が固くなっている人をよくみるが、ここまでくると元には戻らないので治療が必要になる。アメリカでもスマホの普及と比例するように10代・20代の若者の自殺率が急増しているが、その原因がわからないため問題になっている」

 首の筋肉の異常が起きるのは、首の後ろ側にある太い筋肉。うつむきがちの姿勢を続けると、首をまっすぐにしている状態より、およそ3倍も首に負担がかかる。ちなみに、頭の重さは平均的なボーリングの玉と同じ6キロ前後。頭を支える首が、うつむき姿勢のおかげで過度な負担にさらされています。

なぜ首を使いすぎると不定愁訴につながるのだろうか?

「首を使いすぎて首の筋肉がこると、副交感神経がうまく働かなくなる。副交感神経とは、睡眠や入浴時などに活発になり、体をリラックスさせる自律神経。どうして首がこると副交感神経の働きが低下するのか、そのメカニズムはまだよくわかっていないが、臨床上、多数の症例で確認はできている。副交感神経がうまく働かなくなると、眠りが浅い、寝付きが悪い、疲れやすい、気分が落ち込む、やる気が出ないなどの症状が現れる。重度になると、うつ状態となり、重症になるとほぼ全員が自殺念慮を持つことも分かって来ている。これらの症状は他の疾患でも起こりえるため、誤診されている例がとても多い」

 本当は首こりが原因なのに、他の疾患だと誤診されているものには、うつ病、頭痛、めまい、パニック障害、慢性疲労、更年期障害、胃腸障害、ドライマウス、ドライアイなどがあります。

 これについて、2019年6月、イギリスの学術ジャーナルBMCに、東京脳神経センター(理事長・松井孝嘉)の研究チームによる、首こりの治療と不定愁訴が80%以上の回復率を示す研究論文が掲載され、日経新聞、朝日新聞ほかにも取り上げられています。

 首がこっている人は、ほとんどの場合、全身の疲労を訴える。副交感神経の働きが鈍くなると、原因不明の疲れが出てきます。この両者の関係はちょうど昔の井戸の水をくむツルベと同じ。副交感神経が正常で高い位置にあれば疲労は全く出てこないが、副交感神経のレベルが下がると原因不明の疲労が出てくることが多くの臨床結果からわかってきました。

「目が乾燥する」「口が渇く」という項目を不思議に思う人がいるかもしれないが、涙やだ液は副交感神経が働くことで分泌されるので、ドライアイやマウスは首こり病が原因となっている可能性がある。これらの症状が見られる患者さんの多くが首こりの治療で改善しています。

 そのほかにも首こりの患者さんは原因不明の微熱の出ることが多い。何日も検査入院して結局何も異常が見られず原因がわからなかったという患者さんが検査の結果、首の筋肉に異常が見つかり、治療を行い正常になると微熱も消えるというケースがほとんどです。

ところで、首こり病の患者さんによく見られる、外見的な特徴はあるのだろうか?

 それは、瞳孔の開いている人が多いということ。診察時に、瞳に光を当てても反応がない。副交感神経の働きにより瞳孔は閉じるので、副交感神経の働きが悪くなっている証左だと考えられる。そして、笑顔が作り笑いになっている人が多いという特徴もある。治療を行うと、ほとんどの患者さんに自然な笑顔が戻ってきます。

 また、40代後半から50代の女性が悩む更年期障害も、実はその70%以上が首こりが原因となっていることが多い。 東京脳神経センターにて松井医師が診察した結果、女性ホルモンのゆらぎが原因となっている更年期障害は3割程度。残りのおよそ7割は、首こり病が原因と考えられる。婦人科でホルモン補充療法などを受けてみても治療が奏功しない場合は、首こりが原因ではないか疑ってみてほしい。更年期障害を訴える女性の多くが、首こりの治療を行うことで症状が軽快・消失しています。

その肩こり、じつは首こりかもしれません

肩こりと首こりの見分け方、ご存知ですか?肩周りの凝りはすべて「肩こり」と考える方が多いのですが・・・実は肩の凝りと首の凝りは全く違います。

本当は首がこっているのに肩こりだと勘違いしてケアに通い、長い間症状に悩まされたという方も少なくありません。今回は肩こりと首こりの違いを見ていき、それぞれの凝りの見分け方をご紹介します。

そもそも「肩こり」と「首こり」の境目とは何でしょうか?「肩こり」の要因は肩周辺の筋肉の緊張です。同じ姿勢が続いていると、肩周りの血流が悪くなり、肩の筋肉が固まってしまうことが原因で発生します。

一方の「首こり」は、下向きに長時間固定されるなど首の姿勢の悪さが原因で起こる凝りのこと。肩周りと違い、首周りには交感神経・副交感神経はじめ多くの神経が通っています。そのためここが凝りによって圧迫されることで、大後頭神経による緊張型頭痛や、副交感神経の異常によるうつ症状やめまい、動悸、慢性疲労、冷え・のぼせ、機能性胃腸症、物が飲み込みにくい(嚥下障害)、睡眠障害など、自律神経失調特有の数々の症状発症につながるリスクを孕んでいます。

肩こりがひどく、何をしても一時しのぎにしかならず、すぐに元に戻ってしまう方も少なくありません。実は・・・東京脳神経センターに来院される患者さんにも多く見られますが、その根本的な原因が「首こり」だった、ということも多々あります。

ではどのように肩こりと首こりを見分ければいいのでしょうか?前述の通り、首こりは神経系に影響しますので、自律神経失調特有の症状が出ているのであれば首こりを疑ってみてください。(30問の問診表で5つ以上の該当者)ただし重篤な脳神経の疾患ではないことを検査によって確かめた上で、ということが大切ですので医療機関でしっかりと診断して判断することが大前提となります。

脳神経全般の病気を診ている東京脳神経センターでは、頭痛やめまいなど脳の疾患同様の症状を持つ首こりも診ています。なぜなら首こり(肩こり)が悪化すると自律神経異常による神経症状を発症します。これを「頚性神経筋症候群(けいせい しんけいきん しょうこうぐん)と言います。

さて、首こりの診断には画像診断と自律神経の検査をします。原因不明の体調不良、諸症状(不定愁訴)に長年お悩みの患者さんの多くに見られるのはストレートネックです。ストレートネックは首の筋肉の緊張によって首の湾曲が伸ばされてしまった状態です。

そのため、首こりの治療によって首の筋肉が緩むにつれて、首の湾曲が元通りになる方も見られます。

その治療方法は副交感神経(視床下部への影響含む)に悪影響を及ぼしている首の筋肉を緩めるために、34か所の触診ポイントによって医師が低周波治療をはじめとした治療ポイントや強弱を指示して治療することになります。 ところでこの首こりの治療と並行してとても大切なことは、日常生活での首のケア。首を冷やさない、長時間下向きに首を固定しない(スマホ首)。首の筋肉を適時緩めてリラックスさせる。力を入れて首を揉まない。そして温める・・・こうしたことに気を使って過ごすことで、症状の改善効果は期待できるはずです。

以下の記事で、首こりについて説明しています。
■首こり(不定愁訴)は、なぜ女性に多いのか?
■<首こり(首こり病)のおもな症状とは> “首こり”から頭痛、めまい、うつ、自律神経失調症が発症する。
■首こり・自律神経失調症よりも危険なケース
☆ 自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。