なぜ、首が重要なのか? <首には筋肉と神経が複雑に絡み合っている>

■首の上半分には神経が集中している
“首こり博士”松井孝嘉医師は、首の筋肉のこりを治すことで、原因のわからなかった、さまざまな症状が消えることを発見しましたが、その明確なメカニズムについてはまだわかっていません。

治療法が先に見つかった、と言ってもいいでしょう。このようなことは医学では珍しいことではありません。

まず、首がとても大切な部位であることをご説明したいと思います。

首は細く、日常生活や思わぬ外傷で最もトラブルの発生しやすい部位です。にもかかわらず、これまでは、首の筋肉に起因する病気はないとされてきました。医学での盲点でした。

首には、筋肉と神経が複雑に入り組み、そこに、脳に栄養を送る太い血管が通っています。

首の上半分には神経や血管が集中しています。首の筋肉に異常なこりが発生すると、自律神経に悪影響が出て、さまざまな不定愁訴が発生します。しかし自律神経については、まだ完全には解明されていません。

■首の上部は“脳”の一部

首の上部は、神経の中枢センターである脳の一部と言っても過言ではありません。そのため異常が起きるとたくさんの症状が発症するのです。

しかし、現代医学は首の重要性の認識が甘く、不当に軽視しています。

残念ながら、患者さんの不快な症状が首の異常からきていると診断できる医師は、まだほとんどいないのが現状です。

自律神経の状態を判定する30問問診表はこちら

<問診表の問診項目の解説-その1>
どこに行っても治らなかった病気が首で治せる 「首こり」症状のチェックポイント解説-1

<問診表の問診項目の解説-その2>
どこに行っても治らなかった病気が首で治せる 「首こり」症状のチェックポイント解説-2

どこに行っても治らなかった病気が首で治せる 「首こり」症状のチェックポイント解説-2

今回は問診と症状との関係性についてのお話、その2となります。

問診表は、患者さんの訴える症状が、首疲労からきているものなのかどうかを見極めるためのものです。首こり病(自律神経異常)の問診表には30項目あるのですが、それぞれの項目について、前回に引き続いてご説明させていただきます。1回目では問診表の1~3まで解説させていただきました。

2回目の今回は、問診表の4から解説させていただきます。問診表の項目については前回の記事、あるいは東京脳神経センターの問診表をご覧ください。 それでは、問診表の症状チェックポイント解説その2に入りたいと思います。

【首こり度 問診表の症状チェックポイント解説-2】
4:  風邪をひきやすい。風邪気味のことが多い。
これは、首の筋肉の異常により、自律神経のバランスが崩れるために出る症状と考えられます。すぐに体調を崩す方は、この項目をカウントしてください。

5:  めまいがある。天井・外界がまわった。
6:  ふわふわ感。ふらふら感。なんとなく不安定。

めまいの原因が首こりの場合
・天井がぐるぐるまわる
・奈落に引き込まれるような感覚がある
・いつも船に乗っているようにふらふらする
・地面が揺れているようだ
などのタイプのめまいがあらわれます。病院でメニエール症候群などと診断される人も多いようです。

7:  吐き気がある。食欲不振。胃痛不快感。飲み込みにくい。
内科検診を受けても異常が見つからない場合は、首こり病からくる吐き気である可能性があります。

8:  夜、寝つきが悪い。目覚めることが多い。
首の痛みで寝つきが悪くなったり、睡眠中に痛みで目が覚めたりすることがある人は、この項目をカウントしてください。

9:  血圧が不安定である。血圧が200前後になる。
10: 暖かいところ、寒いところに長くいられない。

これらも、自律神経の異常によって起こります。首こりの場合、血圧が高い時と低い時の上下幅が大きくなりすぎることが多くあります。また、暖かいところにいると気分が悪くなったり、寒いところから暖かいところに行くと顔が赤くなってなかなか戻らないという場合もあります。

11: 汗が出やすい。汗が出にくい。
普通にしていても汗がだらだら出てくるような人は、この項目をカウントしてください。夜間に何度も下着を替える人もいます。

12: 静かにしているのに心臓がドキドキする。急に脈が速くなる。
「動悸(どうき)」「心悸亢進(しんきこうしん)」とよばれる症状で、自律神経の異常が原因です。体を動かしているわけでも、心臓が悪いわけでもないのに急に脈が速くなるようなら、首こり病の可能性があります。

13: 目が見えにくい。像がぼやける。
14: 目が疲れやすい。目が痛い。
15: まぶしい。目を開けていられない。

首の筋肉を傷めることで自律神経に異常が起き、瞳孔が開きっぱなしになるために出てくる症状です。

16: 目が乾燥する。涙が出すぎる。
17: 口が乾く、つばが出ない。つばが多い。

目薬をさして目を休めても「ドライアイ」の症状が良くならない場合、首の治療で完治する可能性があります。涙が出すぎる人もいます。また、つばが出すぎたり、出なくて口の中が乾燥する人もいます。

18: 微熱が出る。その原因が不明である。(37度台、38度台になる場合も含む)
慢性的に微熱があるのに、血液検査などあらゆる検査を受けても異常がない場合、首の異常が原因であることがあります。

19: 下痢をしやすい。便秘・腹痛などの胃腸症状がある。
胃腸の働きを司っているのも自律神経です。自律神経の異常から胃腸が正常に機能しなくなり、これらの症状が出ることがあります。

20: すぐ横になりたくなる。昼間から横になっている。
これは、首こり病の最大の特徴です。首の筋肉が疲労して頭を支えられなくなっているため、横になって首を頭の重みから解放するとラクになるためです。

21: 疲れやすい(全身倦怠)。全身がだるい。
首こり病で自律神経の失調が起こると、体中の調節機能の働きが悪くなり、その結果、全身に倦怠感が生じます。

22: 何もする気が起きない。意欲、気力がない。
24: 気分が落ち込む。気が滅入る。
25: ひとつのことに集中できない。
26: わけもなく不安だ。いつも不安感がある。
27: イライラしている。焦燥感がある。
28: 根気がなく、仕事や勉強を続けられない

比較的軽度の25、27、28を放置していると、22、24、26などの重い症状に発展することが多いようです。「認知症では・・・」と心配している人も、首こり病の場合があります。

23: 天候悪化の前日、症状が強くなる。天気予報がよく当たる。
これは、気圧が筋肉の状態に影響するために起こると考えられます。気圧が下がり始めると症状が悪化し、雨が降って気圧が低いときでも、気圧が一定であれば症状の悪化は止まることが多いのです。

29: 頭がのぼせる。手足が冷たい。しびれる。
「冷え性」は、自律神経の失調による典型的な症状です。上半身には「ほてり」や「のぼせ」があるというケースも多く見られます。

30: 胸部が痛い。胸部圧迫感がある。胸がしびれる。
心臓に異常がないのに、こうした症状が見られる場合、首の異常が原因であることが多くあります。「喉がつまっているような感覚がある」という患者さんもおられます。

みなさんは、前回と今回の問診表で、いくつ当てはまったでしょうか?
こうした原因不明の体調不良は不定愁訴と呼ばれているものです。もしも5項目以上当てはまった人は、首の筋肉の異常により起こる首こり病(頚性神経筋症候群)の可能性がありますので、いちど診察することをおすすめします。

・4項目以下の人・・・・・・特に問題なし
・5~10項目の人 ・・・・・・軽症
・11~17項目の人 ・・・・・中症
・18項目以上の人 ・・・・・重症

■首こり病外来についてのご案内

どこに行っても治らなかった病気が首で治せる 「首こり」症状のチェックポイント解説-1

 はっきりした自覚症状があるのに、病院の検査では異常が見つからない。
 そんな患者さんに共通しているのが「首こり」です。首の筋肉の異常が心身にさまざまな不調を招いていました。これを首こり病と呼び、東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医師が発見・命名し、治療法を確立しました。
これから何回かに分けて、問診表と症状との関係性についてお話をさせていただきます。

首こり病(自律神経異常)問診表は、これまでにも何回かご紹介させていただきましたが、改めて記載させていただきますので、ぜひ次のチェックテストを行なってみてください。

 これは、患者さんの訴える症状が、首疲労からきているものなのかどうかを見極めるための問診表です。30の項目のうち、自分によく当てはまると思うものを数えてみてください。 5個以上当てはまった人は、首の筋肉の異常により起こる首こり病(頚性神経筋症候群)の可能性がありますので、必要だと感じたら、東京脳神経センターほか、松井病院(香川県観音寺市)ネッククリニック名古屋大阪福岡など、首こり病のわかる医療施設で受診してみてください 。

1:  頭が痛い。頭が重い。
2:  首が痛い。首が張る。
3:  肩がこる。肩が重い。
4:  風邪をひきやすい。風邪気味のことが多い。
5:  めまいがある。天井・外界がまわった。
6:  ふわふわ感。ふらふら感。なんとなく不安定。
7:  吐き気がある。食欲不振。胃痛不快感。飲み込みにくい。
8:  夜、寝つきが悪い。目覚めることが多い 。
9:  血圧が不安定である。血圧が200前後になる。
10: 暖かいところ、寒いところに長くいられない。
11: 汗が出やすい。汗が出にくい。
12: 静かにしているのに心臓がドキドキする。急に脈が速くなる。
13: 目が見えにくい。像がぼやける。
14: 目が疲れやすい。目が痛い。
15: まぶしい。目を開けていられない。
16: 目が乾燥する。涙が出すぎる。
17: 口が乾く、つばが出ない。つばが多い。
18: 微熱が出る。その原因が不明である。
19: 下痢をしやすい。便秘・腹痛などの胃腸症状がある。
20: すぐ横になりたくなる。昼間から横になっている。
21: 疲れやすい(全身倦怠)。全身がだるい。
22: 何もする気が起きない。意欲、気力がない。
23: 天候悪化の前日、症状が強くなる。天気予報がよく当たる。
24: 気分が落ち込む。気が滅入る。
25: ひとつのことに集中できない。
26: わけもなく不安だ。いつも不安感がある。
27: イライラしている。焦燥感がある。
28: 根気がなく、仕事や勉強を続けられない 。
29: 頭がのぼせる。手足が冷たい。しびれる。
30: 胸部が痛い。胸部圧迫感がある。胸がしびれる。

・4項目以下の人 ・・・・・・特に問題なし
・5~10項目の人 ・・・・・・軽症
・11~17項目の人 ・・・・・中症
・18項目以上の人 ・・・・・重症
東京脳神経センター問診表はこちら


【首こり度 問診表の症状チェックポイント解説-1】

1:頭が痛い、頭が重い
 首こりの場合、かなり高い確率でこの症状が出ます。後頭部から首筋にかけて、突っ張った感じの痛みがあったり、頭が重いように感じたり、頭の周囲を取り巻くような痛みを感じたりするのが特徴です。
 ほとんど毎日、長時間にわたって痛みが続き、夕方になると痛みがひどくなるケースがほとんどです。

2:首が痛い、首が張る
3:肩がこる、肩が重い

 首こりの場合、ほぼ100%、首の異常が自覚されます。問診表の項目2に当てはまった上、ほかにも複数の項目が当てはまるようなら、首こり病である可能性はかなり高いと判断できます。

 また肩の痛みが出ることも多くあります。背中にこりや痛みがある方も、問診表の項目3に当てはまりますのでカウントしてください。

問診表の4以降は、次の記事でご説明させていただきたいと思います。
→どこに行っても治らなかった病気が首で治せる 「首こり」症状のチェックポイント解説-2

うつ、慢性疲労、パニック障害、更年期障害(難治性)は、自律神経を疑ってみる。

スマホ首病が日本を滅ぼすより抜粋/一部修正)
現在、数多くの方が、原因不明の体調不良で苦しんでいます。

慢性的に疲れていたり、朝からだるく、病院に行っても原因不明。
首、肩、背中が痛くて整形外科に行っても異常なし。
船に乗っているようにフワフワするので耳鼻科に行っても異常なし。
吐き気、胃部不快感で内科に行き内視鏡検査でも異常なし。
動悸に悩み心臓や循環器系の病院を受診したが異常なし。

このように体の不調を感じて病院にかかっても、その原因が特定できないことがとても多いのが現状です。こうした、さまざまな自覚症状があるのに、検査をしても原因が判明しない症状のことを“不定愁訴(ふていしゅうそ)”と呼び、首こり病の典型的な症状です。

首こり病(自律神経異常)の問診表からもわかるように、症状が多く、少なくとも10以上の診療科科目にわたります。ひとつの科目では対応できないため、さまざまな病院を巡ることになってしまいます。何十か所もの医療機関を受診したという患者さんもいるほどです。

ある患者さんの場合、最初は内科でした。そこでは更年期障害と診断されたわけですが、軽快することはありませんでした。次は整形外科、その次は耳鼻科へ行き、最後に助けを求めたのが心療内科でした。患者さんによっては、このほかに消化器科、循環器科、神経内科、眼科などを経由してくることもあります。

最後にたどり着いたのが、心療内科、あるいは精神科という人は、この病気の患者さんに見られる典型的な例です。いくら精密な検査をしてもからだに異常が見つからないので、きっとこれは心の病気だろう、という結論に達してしまうわけです。

心療内科ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ剤を出されるだけ、というケースがほとんどです。

しかしどれは単なる思い込みであり、正しい判断ではありませんでした。“この病気”は心の病気とは関係のない器質的疾患であることがほとんどです。精神病である大うつ病と、自律神経性うつ病の違いについては、また別項目で取り上げることにしましょう。

さて、この病気について私(松井孝嘉医師)が到達した結論をもういちど整理しておきましょう。

首の筋肉が異常をきたし、それが原因となって自律神経、特に副交感神経の働きが弱まってしまい、そのためにさまざまな症状を心身に引き起こしているのです。ですから、たとえ抑うつ症状が認められても、新しい器質的な別の病気ですから、心療内科や精神科では治すことはできません。結局、どこへ行っても、どんな薬を飲んでも治ることはないのです。

私の発見した治療では、この病気(首こり病)の原因である首の筋肉、それも異常を起こしている筋肉を治療するので、治療が終わればすべての症状が消失して、再び症状が出ることはほとんどありません。うつ症状も98%以上治癒しています。薬を飲む必要も、一切なくなります。再発は極めて低いと考えてください。

こうした不定愁訴の原因の多くは、首の筋肉の異常にある・・・1978年に私が発見してから約40年。今なお、その事実をわかっているドクターは、日本中を探してもほとんどいないのが現状です。

いったいそれは、どうしてなのでしょうか?

ひとつには、現在の細分化された医療体制を挙げることができます。私は脳神経学会と、その関連学会に所属しており、そこで首が原因のさまざまな病気の現状や、研究結果などを発表しています。

しかし、私は内科、精神科、耳鼻科、眼科、循環器科、消化器科、整形外科など各学会の会員ではありません。すると、ほかの専門科のドクターに、この病気の存在を知らせることは大変難しくなります。

筋肉は本来、整形外科の領域になります。ところが整形外科医の多くは硬い骨と間接ばかりに関心があり、筋肉を専門にしているドクターはほとんどいないというのが現状です。

人体は依然として神秘に包まれており、まだわからないことばかりです。首こり病(頚性神経筋症候群)について言えば、松井式治療法によって治癒に向かうという事実を積み重ねています。それにより、首の筋肉の異常と自律神経(副交感神経)の異常に相関関係があることはわかっています。しかしその学術的根拠を提示するには、さらなる研究成果の積み上げが必要です。(「スマホ首病が日本を滅ぼす」より)

ただし、このような症状は、すべて自律神経失調症、首こり病だとは限りません。下記のような危険なケースもありますので注意が必要です。
■首こり・自律神経失調症よりも危険なケース

■2019年6月 頚部の低周波治療によって、数々の不定愁訴が改善する研究論文(英文)が、イギリスの学術誌BMC Musculoskeletal Disordersに掲載されました。

首こり病で自律神経失調となった患者さんは 誰も理解してくれない原因不明の体調不良に苦しみます。

『スマホ首病が日本を滅ぼす』より抜粋】

日本語には「肩に重圧がのしかかる」とか「重荷を背負う」という言葉があります。昔から、重荷に打ち勝とうと熱心に仕事をしていると、いつしか前かがみになり、猫背になって耐えしのごうとしてきました。

それは現代のパソコンを使った社会でも同じかもしれません。集中して仕事に打ち込めば打ち込むほど、頭が前方へとせり出し、背中は丸まり、少しうつむきながらの姿勢になっていきます。この時、肩や背中より、もっと重荷がのしかかっているのが首なのです。

首こり病にかかった時、病院などでは一般的にどのように対処しているのでしょうか。Aさん(30代半ばの女性)の発言を例に具体的に見てみましょう。

「内科、脳神経外科、整形外科、耳鼻科・・・いろいろな病院を回りました。結局、最後は心療内科に行かされました。心の病気、うつ病という診断でした」

Aさんが東京脳神経センターを訪れたのは、さんざん病院巡りを繰り返して後でした。どこにでもいるようなごく普通の会社員の方です。ただ、表情に関しては非常に暗く、こう言っては失礼ですが、三十代半ばという実年齢よりやや老けて見えたことは覚えています。

「きっかけは二年前くらいだったでしょうか、仕事中、急に動悸がしはじめたんです。すぐに良くなるだろうと放っておいたんですが、そのうちに手がしびれたり、手足が冷たいのに上半身が熱くてのぼせたり、肩こりもひどかったですね。で、仕方なく内科へ行ったら、あっさり『これは更年期障害です』と言われました。こんな年でもなるんだ、とショックでした」

そして、Aさんは安定剤を処方されました。

「でもまったく良くならなくて、そのうちに、肩こりだけじゃなく、首の後ろや頭まで痛くなってきました。特に夕方になると、張ったような痛みが出てきて、仕事になりませんでした。それで整形外科に行ったんです。念のためということでCTを撮りましたが、どこにも異常はありませんでした。『きっとストレスのせいでしょう。スポーツでもして気分転換をしたらどうですか?』と、お医者さんから言われました。カオイロプラクティックやマッサージにも通ってました。めまいの症状もあったので、それが元凶なのかと思って耳鼻科にも行きました」

そうAさんは話すと、ここからが大変でしたとため息をつきました。

「だんだん疲れが取れなくなってきて、朝、起き上がれなくなりました。遅刻ばかりでいつも上司に叱られました。気が滅入って、仕事もおっくうで、ついには会社を休むようになりました。ちょうど決算期の忙しい時期だったので、同僚からは白い目で見られていました。陰で“あのひとは怠け者だ”と、誰も理解してくれませんでした」

誰も理解してくれない・・・原因不明の症状を抱える患者さんに共通する切実な訴えです。

首こり病という、この病気の大きな問題は、周囲の人の理解が得られないこと。見た目にはなんら健康な人と変わりありませんし、また、がんや心臓病にように直接命にかかわってくる症状には見えませんから、どうしても周囲の人から病状を軽く見られがちです。

いつも一緒に働いている職場の同僚でも、本人がどんなに苦しんでいるかをわかりません。今日は調子が悪いと言えば、

「また怠け病がはじまった」
「精神がたるんでいるからだ」
「気の持ちようでしょう」

などと陰で言われ、あるいは面と向かって言われ、会社内で孤立している患者さんがたくさんいます。

それは家庭内でも同じ。症状が進行すると、Aさんのように出勤することさえ困難になってきます。朝はベッドから起きられず、部屋に引きこもりがちになり、笑顔がまったくなくなり、いつも暗い表情で横になっている。

そんな状況が続けば、長年連れ添ったご夫婦であっても

「会社に行きたくないだけでしょう?」
「いつまでこんなことをしているの?」
「家のローンはどうずるの?」

と、深い溝が生まれ始め、ぎくしゃくとした関係になります。

「誰にも理解してもらえない・・・」原因不明の体調不良を抱えて東京脳神経センターを訪れた患者さんたちは、そのほとんどが口々にこのようなことをおっしゃいます。そのつらさは痛いほどわかります。この病気はからだだけでなく、人間関係の悪化をも招いてしまいます。Aさんも、自分の苦しみを誰にも理解してもらえないつらさを感じていました。

しかし唯一、Aさんの理解者がいました。それは彼女のお母さんです。

「母だけは心配してくれました。私の病気をいろいろと調べてくれて、これは精神的な病気では?と教えてくれて、名医として有名な先生の心療内科にかかりました。そこでうつ病と診断され、今は会社を休職しています。抗うつ剤を処方され毎日飲みましたが、効き目を実感できず、二倍量、三倍量と増えました。しかし気分は良くならず、何か新しい訴えをすると、その度に別の薬が増えて、今では十数種類の薬が処方されています。薬漬け状態です。何も変わらないのでやめたいと先生に言っていました。そんな折に記事で“首こり病”のことを知りました。もしかしたらこの病気ではないのか・・・と思ったのです」

診察に訪れたAさんの問診表を見ると「はい」の数が18個ありました。これはもはや重症の部類でした。彼女がひとりで抱えたつらさは相当だったはずです。

診察・検査・診断後、すぐに治療に入りました。幸いAさんは真面目な方でしたので、きちんと二日に一度、治療に通ってくれました。一種間もすると、頭痛、首こり、肩こりが軽くなり始め、今までなかった笑顔が見られるようになりました。二週間後には気分の落ち込みといった精神症状が取れ、抗うつ剤の量を約三分の一にまで減らすことができました。

Aさんは「人生が楽しく感じられるようになりました」と嬉しそうな笑顔を見せながらも、不思議そうにおっしゃっていました。最後の方まで動悸とめまいだけは残りましたが、このふたつの症状も含め、およそ2ヵ月後にはほとんどの症状が消失しました。

Aさんは、“あれもしたい、これもしたい、ものごとすべて前向きに考えられるようになり、本当に生まれ変わったようだ”とおっしゃってました。 (『スマホ首病が日本を滅ぼす』より抜粋)

■ 自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。

※東京脳神経センター


首こりが消えれば不調が消える。 首こりを治せば、間違いなく人生が変わる。

今回は・・・首こりと、パニック障害やうつ、慢性疲労など、深刻な自律神経失調症との関係について触れた『スマホ首病が日本を滅ぼす(ワニブックス)』から、その一部をご紹介します

自律神経とは、意識とは関係なく、生物が生きていくためのさまざまなからだの働きを自動制御するシステムです。「交感神経」と「副交感神経」をアクセルとブレーキのようにバランス良く使って、人間のからだの調子を整えています。

首は、脳と全身とをつなぐ通り道・・・しかも、とても細くて弱いパイプラインです。この細いパイプラインに、背骨、気道、食道、血管、自律神経を含む神経系などがきちっと収まって通っています。ところが、首の筋肉がこってしまうと、神経の働きに影響が出てしまうのです。

それはなぜか?

副交感神経の働きが悪くなり、自律神経のバランスが崩れ、働き方の調子が狂うと「自動運転」が上手く機能しなくなってしまうからです。

その結果、多くの場合、次の16の病気・症状のうちのどれか、もしくは複数があらわれます。それは、緊張型頭痛(後頭神経痛)、めまい(ふわふわ、ふらふらも含む)、パニック障害、更年期障害的な諸症状、動悸、慢性疲労、多汗症、不眠症、血圧不安定症、下痢・便秘、起立性調節障害などです。

これらの病気・症状は、いずれもからだの調節機能である自律神経の乱れによる病気・症状なので、まるで機械の調節つまみの位置がズレてしまったかのように、普段と比べてなんとなく調子が悪いという違和感を感じるようになります。

他人には自分のつらさがわかってもらえないことが多く、医療機関で検査を受けても、ほとんど異常なしという結果に終わります。そのようなことが患者さんを孤立させ、悩みを深くさせてしまうのです。

先ほどの諸症状は、まさに自律神経失調症の典型的な症状です。その症状が長く続いたり、ひどくなってくると日常生活にも支障をきたすようになり、やがて抑うつ状態へと陥るケースが少なくありません。

自律神経の乱れから発症する「うつ病」は、進行するにしたがって自殺念慮を持つようになるという特徴があります。まずは首こり~首こり病が発端となり、自律神経の乱れ(自律神経失調)、さまざまな全身の不調へと拡大し、精神も蝕んでいくという、この病気の仕組みを理解することが大切です。

そして、心身がそんな深刻な状態にならないように、からだの不調を感じたら、まずは首こり病を疑い、しっかりと診断を受けた後に治療することが大切です。しかしながら先ほどの諸症状・・・緊張型頭痛、めまい、パニック障害、更年期障害(難治)、難治性むちうち症、慢性疲労、ドライアイ、多汗症、不眠症、機能性胃腸症・過敏性腸症候群(下痢・便秘など)、機能性食道嚥下障害、血圧不安定症、VDT症候群、ドライマウス、起立性調節障害、そしてそれらを統合した自律神経失調症・・・・その先にある自律神経性うつ病、これらの病気・症状は、これまで治すのが困難だと言われていました。

しかし松井医師(東京脳神経センター理事長/ネッククリニック福岡・ネッククリニック大阪・ネッククリニック名古屋・ネッククリニック愛媛)が確立した診断法・治療法によって、よほど困難なケースを除いて、首こり病を治すことで治癒、改善または完治できるようになっています。
ワニブックス社「スマホ首病が日本を滅ぼす」より抜粋 )

■ 自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。

首こり病の原点である著書を充実化させた「スマホ首病が日本を滅ぼす」ご紹介

タイトルは「スマホ首病」となっていますが、世の数々の首こり関連書籍の原点ともいえる「首を治せば病気が消える」の内容を、最新の情報を追加するなどして充実化させたのが、この「スマホ首病が日本を滅ぼす(ワニブックス)」です。

首こり病の正式名称は、松井医師が学会発表した『頚性神経筋症候群(頚筋症)』。これは、首の筋肉の異常なコリにより12対ある脳神経のひとつ、迷走神経に影響することで、めまい、うつ、パニック障害、動悸、発汗、慢性疲労など、様々な原因不明の体調不良を発症します。

この「スマホ首」という言葉も松井医師が使い始めたもので、今やピップエレキバンはじめ、一般的にも使われ出しています。新書サイズで、とても読みやすいので、ぜひご一読いただければと思います。


【松井医師の言葉:著書より】スマホの爆発的な普及により、今までは考えられなかった奇異な社会現象が起きています。そのメカニズムと被害の実態について、日々多くの患者さんの首を診察するドクターとして警告を発します。あなたのからだと心を壊す“スマホ首”に警鐘を鳴らすのが本書の重要な目的のひとつです。

ダヴィンチ書評

■書籍はこちら 『スマホ首病が日本を滅ぼす』

うつ症状、慢性疲労、睡眠障害、ふらつき、動悸、パニック障害などなど・・・不定愁訴の原因

 体がだるい、頭が重い、フラツキがある、寝付きが悪い、気分が沈むなどの「不定愁訴」は、どの診療科を回っても確たる診断が下されず、最後には心療内科へたどり着くことが多い。しかし心療内科でも、睡眠薬や安定剤などが処方される対処療法がなされるだけで、根本治療とはほど遠いのが現状です。

 首こり博士・松井医師は、こうした不定愁訴の根底には、実は「首こり」があると見ています。専門的には頚筋(けいきん)が異常を起こすことで、副交感神経の働きが鈍くなるのです。

 電車に乗っていると、ほとんどの人がうつむいてスマホを見ている。パソコンを見る際も、たいていの場合、下向き加減になります。このように首が長時間下向きに固定されると、首の筋肉の使いすぎを招き、その結果「首こり」によって副交感神経の働きが影響を受けて不定愁訴リスクが高くなります。

 首の筋肉が異常を起こす原因は主に3つあり、「頭を打つ、むちうちなど外傷によるもの」、「スマホやパソコンなどを長時間使うことによる首の使いすぎ」、そして「元々首の筋肉が弱かったり、猫背などによるもの」と松井医師はみています。

そして近年ではスマホによる弊害が急速に増加しています。これについて松井医師は以下のように述べています。

 「スマホが登場した2010~2011年以降、首の筋肉に異常が見られる人が激増した。首の筋肉は、ある程度までは使いすぎても元の状態に戻るが、一定レベルを超えると固くなって伸び縮みできなくなってしまう。診察時に、骨や鉄のように首の筋肉が固くなっている人をよくみるが、ここまでくると元には戻らないので治療が必要になる。アメリカでもスマホの普及と比例するように10代・20代の若者の自殺率が急増しているが、その原因がわからないため問題になっている」

 首の筋肉の異常が起きるのは、首の後ろ側にある太い筋肉。うつむきがちの姿勢を続けると、首をまっすぐにしている状態より、およそ3倍も首に負担がかかる。ちなみに、頭の重さは平均的なボーリングの玉と同じ6キロ前後。頭を支える首が、うつむき姿勢のおかげで過度な負担にさらされています。

なぜ首を使いすぎると不定愁訴につながるのだろうか?

「首を使いすぎて首の筋肉がこると、副交感神経がうまく働かなくなる。副交感神経とは、睡眠や入浴時などに活発になり、体をリラックスさせる自律神経。どうして首がこると副交感神経の働きが低下するのか、そのメカニズムはまだよくわかっていないが、臨床上、多数の症例で確認はできている。副交感神経がうまく働かなくなると、眠りが浅い、寝付きが悪い、疲れやすい、気分が落ち込む、やる気が出ないなどの症状が現れる。重度になると、うつ状態となり、重症になるとほぼ全員が自殺念慮を持つことも分かって来ている。これらの症状は他の疾患でも起こりえるため、誤診されている例がとても多い」

 本当は首こりが原因なのに、他の疾患だと誤診されているものには、うつ病、頭痛、めまい、パニック障害、慢性疲労、更年期障害、胃腸障害、ドライマウス、ドライアイなどがあります。

 これについて、2019年6月、イギリスの学術ジャーナルBMCに、東京脳神経センター(理事長・松井孝嘉)の研究チームによる、首こりの治療と不定愁訴が80%以上の回復率を示す研究論文が掲載され、日経新聞、朝日新聞ほかにも取り上げられています。

 首がこっている人は、ほとんどの場合、全身の疲労を訴える。副交感神経の働きが鈍くなると、原因不明の疲れが出てきます。この両者の関係はちょうど昔の井戸の水をくむツルベと同じ。副交感神経が正常で高い位置にあれば疲労は全く出てこないが、副交感神経のレベルが下がると原因不明の疲労が出てくることが多くの臨床結果からわかってきました。

「目が乾燥する」「口が渇く」という項目を不思議に思う人がいるかもしれないが、涙やだ液は副交感神経が働くことで分泌されるので、ドライアイやマウスは首こり病が原因となっている可能性がある。これらの症状が見られる患者さんの多くが首こりの治療で改善しています。

 そのほかにも首こりの患者さんは原因不明の微熱の出ることが多い。何日も検査入院して結局何も異常が見られず原因がわからなかったという患者さんが検査の結果、首の筋肉に異常が見つかり、治療を行い正常になると微熱も消えるというケースがほとんどです。

ところで、首こり病の患者さんによく見られる、外見的な特徴はあるのだろうか?

 それは、瞳孔の開いている人が多いということ。診察時に、瞳に光を当てても反応がない。副交感神経の働きにより瞳孔は閉じるので、副交感神経の働きが悪くなっている証左だと考えられる。そして、笑顔が作り笑いになっている人が多いという特徴もある。治療を行うと、ほとんどの患者さんに自然な笑顔が戻ってきます。

 また、40代後半から50代の女性が悩む更年期障害も、実はその70%以上が首こりが原因となっていることが多い。 東京脳神経センターにて松井医師が診察した結果、女性ホルモンのゆらぎが原因となっている更年期障害は3割程度。残りのおよそ7割は、首こり病が原因と考えられる。婦人科でホルモン補充療法などを受けてみても治療が奏功しない場合は、首こりが原因ではないか疑ってみてほしい。更年期障害を訴える女性の多くが、首こりの治療を行うことで症状が軽快・消失しています。

その肩こり、じつは首こりかもしれません

肩こりと首こりの見分け方、ご存知ですか?肩周りの凝りはすべて「肩こり」と考える方が多いのですが・・・実は肩の凝りと首の凝りは全く違います。

本当は首がこっているのに肩こりだと勘違いしてケアに通い、長い間症状に悩まされたという方も少なくありません。今回は肩こりと首こりの違いを見ていき、それぞれの凝りの見分け方をご紹介します。

そもそも「肩こり」と「首こり」の境目とは何でしょうか?「肩こり」の要因は肩周辺の筋肉の緊張です。同じ姿勢が続いていると、肩周りの血流が悪くなり、肩の筋肉が固まってしまうことが原因で発生します。

一方の「首こり」は、下向きに長時間固定されるなど首の姿勢の悪さが原因で起こる凝りのこと。肩周りと違い、首周りには交感神経・副交感神経はじめ多くの神経が通っています。そのためここが凝りによって圧迫されることで、大後頭神経による緊張型頭痛や、副交感神経の異常によるうつ症状やめまい、動悸、慢性疲労、冷え・のぼせ、機能性胃腸症、物が飲み込みにくい(嚥下障害)、睡眠障害など、自律神経失調特有の数々の症状発症につながるリスクを孕んでいます。

肩こりがひどく、何をしても一時しのぎにしかならず、すぐに元に戻ってしまう方も少なくありません。実は・・・東京脳神経センターに来院される患者さんにも多く見られますが、その根本的な原因が「首こり」だった、ということも多々あります。

ではどのように肩こりと首こりを見分ければいいのでしょうか?前述の通り、首こりは神経系に影響しますので、自律神経失調特有の症状が出ているのであれば首こりを疑ってみてください。(30問の問診表で5つ以上の該当者)ただし重篤な脳神経の疾患ではないことを検査によって確かめた上で、ということが大切ですので医療機関でしっかりと診断して判断することが大前提となります。

脳神経全般の病気を診ている東京脳神経センターでは、頭痛やめまいなど脳の疾患同様の症状を持つ首こりも診ています。なぜなら首こり(肩こり)が悪化すると自律神経異常による神経症状を発症します。これを「頚性神経筋症候群(けいせい しんけいきん しょうこうぐん)と言います。

さて、首こりの診断には画像診断と自律神経の検査をします。原因不明の体調不良、諸症状(不定愁訴)に長年お悩みの患者さんの多くに見られるのはストレートネックです。ストレートネックは首の筋肉の緊張によって首の湾曲が伸ばされてしまった状態です。

そのため、首こりの治療によって首の筋肉が緩むにつれて、首の湾曲が元通りになる方も見られます。

その治療方法は副交感神経(視床下部への影響含む)に悪影響を及ぼしている首の筋肉を緩めるために、34か所の触診ポイントによって医師が低周波治療をはじめとした治療ポイントや強弱を指示して治療することになります。 ところでこの首こりの治療と並行してとても大切なことは、日常生活での首のケア。首を冷やさない、長時間下向きに首を固定しない(スマホ首)。首の筋肉を適時緩めてリラックスさせる。力を入れて首を揉まない。そして温める・・・こうしたことに気を使って過ごすことで、症状の改善効果は期待できるはずです。

以下の記事で、首こりについて説明しています。
■首こり(不定愁訴)は、なぜ女性に多いのか?
■<首こり(首こり病)のおもな症状とは> “首こり”から頭痛、めまい、うつ、自律神経失調症が発症する。
■首こり・自律神経失調症よりも危険なケース
☆ 自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。

大阪で首こりによる自律神経失調の改善と予防”を楽しく学べるセミナーを開催します。

8月25日(日)東京脳神経センター副所長・北條先生が大阪で「首こり病セミナー」を開催します。内容は、自律神経と頭痛。昨年大好評だった“首こりによる自律神経失調の改善と予防”を楽しく学べるセミナーに頭痛を追加して、今年も開催します。ぜひご参加ください。

頭痛の種類や発症するメカニズム、そしてめまい・うつ・下痢便秘・慢性疲労・冷えのぼせなど、自律神経が大きく関わる原因不明と診断される諸症状(不定愁訴)が発症するメカニズムとその予防法をわかりやすくお話しさせていただきます。

また会場では松井先生の著書も多数取り揃えております。

皆様のご参加、お待ちしています。

■日時:2019年8月25日(日) 13時~14時30分

■場所:朝日カルチャーセンター中之島教室

    大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー18階

■会費:会員3,024円 / 一般3,672円

■電話:06-6222-5222

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