新連載! むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係を解明する!

第4回:謎解きの旅パート2 – 迷走神経

<解説>

昔の解剖学者が内臓のどこに行くかがわからないので迷走神経という変わった名前がついているんだ。迷走神経は全身の副交感神経の親玉でもあるんだ。自律神経失調症の症状のほとんどが、迷走神経の機能低下で説明できそうだね。

ここで忘れていけないことは、自律神経の機能は、脳から内臓などへ命令を出す(遠心性という)よりは、内臓から脳に情報を上げる(求心性という)情報の方がずっと多い(70-80%)といわれているんだ。

でもどうして、頸と関係のない、頭の中の目の症状や耳の症状がでてくるの?

そこが、謎解きの一番重要なところだよ。謎解きのためには、生物の進化の過程を考えるとわかりやすいんだ。

<次回に続く>

<第1回:むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係>に行く

<第2回:むち打ち症と自律神経失調症の共通症状>に行く

<第3回:謎解きの旅の始まり>に行く

リモート診察をご希望の初診の方へ
東京脳神経センターグループ医療機関、ブルースカイ松井病院の受診をご検討ください。
TEL:0875-23-0012

新連載! むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係を解明する!

第3回:謎解きの旅の始まり

<解説>

頸の筋肉と今まででてきた自律神経の症状が関係あるとしたら、どんなことが考えられるの?

うん、それでは一緒に謎解きの旅にでよう。頭痛は自律神経とちょっと違うからあとで考えるとしておいておいて、そもそも、自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあるんだ。まぶしい、ドライアイ、すぐに目がぼやける、耳閉感などの症状は副交感神経との関係が強くて、副交感神経の機能が低下するとその症状が出てくるんだ。

自律神経とのどの違和感、胃の不快感、腹痛、動悸との関係はどう考えるの。

ここは一番簡単にわかると思うよ。消化管や心臓など胸郭と腹腔の内臓のほぼすべては、頭部からでて頸の前側の両側を通って胸腔、腹腔に行く迷走神経という超有名な神経に支配されているんだ。

迷走神経??

<第4回:謎解きの旅パート2 – 迷走神経>に続く

<第1回:むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係>に行く

<第2回:むち打ち症と自律神経失調症の共通症状>に行く

リモート診察をご希望の初診の方へ
東京脳神経センターグループ医療機関、ブルースカイ松井病院の受診をご検討ください。
TEL:0875-23-0012

新連載! むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係を解明する!

第2回:むち打ち症と自律神経失調症の共通症状

<解説>

むち打ち症や自律神経失調症に共通な、各種症状、頭痛、のどの違和感、吐き気、胃の不快感、胃の痛み、逆流性食道炎、腹部膨満感、便秘、下痢、めまい、まぶしさ、ドライアイ、耳鳴り、聴力低下、音がこもる等に関して考えると、まずは消化管と関係すること、さらには、心拍数と関係すること、頭部では頭痛、目と関係するのが、まぶしさ、ドライアイ、あとは耳の鼓膜などとの関係でわけられるんだよ。

そして、むち打ち症でいろいろな症状がでる事に関しては、内科、耳鼻科、眼科、整形外科、脳外科、そして最終的には、心療内科、精神科の医師が、自分の専門分野の考え方で、症状を診断していることが理由のひとつなんだ。

追突事故で頸の筋肉がやられて、上の症状がでてくるわけだから、一つの原因で、全てが説明できる考え方を見つけ出さなくてはならないんだ。また最近、小学生・中学生の患者が急増して社会問題になり始めている、起立性調節障害とむち打ち症の症状はとても似ているんだ。そしてむち打ち症の根本的な治療法をみつけることができれば、起立性調節障害だけでなく、いわゆる髄液減少症、線維筋痛症などの治療にも有効になる可能性が高いんだ。

<第3回:謎解きの旅の始まり>に続く

<第4回:謎解きの旅パート2 – 迷走神経>に行く

<第1回:むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係>に行く

リモート診察をご希望の初診の方へ
東京脳神経センターグループ医療機関、ブルースカイ松井病院の受診をご検討ください。
TEL:0875-23-0012

新連載! むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係を解明する!

第1回:むち打ち症、自律神経失調症、起立性調節障害と頸の筋肉との関係

<解説>

自律神経失調症とはね、不眠、朝起きられない、元気がでない、頭痛がする、めまいがする、胃の調子が悪い、吐き気、などの不定愁訴から、内科や耳鼻科、脳外科などを受診して、血液検査や脳のCT検査などあらゆる検査をしても、異常がみつからない人に対してつけている病名、正確には状態のことなんだ。症状が悪化すると、うつ症状もでてくるので、心療内科や精神科でうつ病という病名がつけられ、睡眠薬や精神安定剤などが処方されることが多いんだ。追突事故などの後2-3週間して出てくる各種症状(頸の筋肉の痛み、頭痛、吐き気、その他)のことをむち打ち症後遺症といって、自律神経失調症の症状と似ているので、頸の筋肉の障害と関係があるのではないかと考えた人がいるんだ。

<第2回:むち打ち症と自律神経失調症の共通症状>に続く

<第3回:謎解きの旅の始まり>に行く

<第4回:謎解きの旅パート2 – 迷走神経>に行く

リモート診察をご希望の初診の方へ
東京脳神経センターグループ医療機関、ブルースカイ松井病院の受診をご検討ください。
TEL:0875-23-0012

“首こり”が、 どのように自律神経失調症に影響するのか?

首は神経のスクランブル交差点

首の筋肉の異常が、どのようなメカニズムで自律神経に影響を与えているのかは解明されておらず、いまのところ推測の域を出ません。ただ、はっきりしているのは、首の筋肉のコリ(首こり)を解消すると、自律神経失調症の諸症状が治癒するという現実です。

このことに関しては、原因不明の体調不良『不定愁訴』で入院した患者さん1,863名に対し、頚部筋群への局所療法を行なった結果、退院時には不定愁訴28症状が50%以上の回復率を示しました(下記グラフ参照)。

このことを東京脳神経センターの研究チームがまとめた研究論文が、国際医学ジャーナル「ヨーロピアン・スパイン・ジャーナル」に2020年1月14日、掲載されました。

医学では「原因と症状の発症メカニズムが先にわかって、それに基づいて治療法が発見される場合」と、因果関係は不明でも「症状に対する治療法がわかったので、原因が特定でき、症状発症のメカニズムがあとから解明される場合」とがあります。

首こりによって発症する「頚性神経筋症候群」の治療は、まさに後者のケースであり、そのメカニズムの究明には今後の研究に期待がかかります。 首の筋肉の異常がなぜ不定愁訴の原因になるのでしょうか。推察される範囲で説明したいと思います。

まずは、首の大まかな仕組みを述べておきます。

私たちの身体を支える背骨(脊柱)は「脊椎骨(せきついこつ)」という小さな骨が積み重なった構造をしており、椎骨と椎骨の間にはクッションのような働きをする「椎間板」があります。椎骨と椎骨とはベルトのような「じん帯」でつながれています。

私たちが首と呼ぶのは、脊柱の最上部から7個までを指し、解剖学的には「頚椎(けいつい)」といいます。そして、この上にある約6キログラムの頭部を、頚椎をはじめとする椎骨(ついこつ)と頚部(けいぶ)の筋肉が支えているのです。

頚椎をはじめとする椎骨は複雑な構造で連なっており、その周囲をいくつもの筋肉群が取り巻いているので、頭を左右に動かす、首を回す、首を曲げるなどの複雑な動きが可能になるのです。

また、頚椎には脳と直結する「脊髄」を保護する役割もあります。頚椎の中央には、「脊柱管(せきちゅうかん)」というトンネル状の空間があり、その中を脊髄が通っています。

脊髄からは神経が枝分かれし、脊柱の隙間から出て、肩や腕へと伸びています。この枝分かれした神経の根元を「神経根(しんけいこん)」といいます。

「自律神経」は脳や脊柱の神経節をつくり、さらにそこから各臓器に連絡しています。このように自律神経は、身体中に細かい神経のネットワークをつくり、身体の各部所の働きを自動的に調節しています。

首は脳の一部であり、頚椎が主体となった神経の通り道であり、同時に肩や背中の筋肉の一部が首と連携し頭部を支え、動かす中心的な役割を果たしているのです。

首の動きをあやつる筋肉群

さまざまな筋肉に囲まれ、重い頭を支えているのが頚椎です。頚椎のまわりの筋肉には「僧帽筋(そうぼうきん)」「頭板状筋(とうばんじょうきん)」「頭半棘筋(とうはんきょくきん)」「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」などがあります。

僧帽筋は、首から背中にかけて大きく広がる筋肉で、問題を起こす首の筋肉のなかではいちばん表層、つまり皮膚に近いところにあります。この筋肉の首・肩部が収縮することで、肩をすくめるように肩甲骨を上内方へ引き上げます。

頭板状筋は、僧帽筋の下にあり、頚椎の後ろから上外方に伸びて後頭骨の外側と結んでいます。両側が同時に収縮すると、頭を後ろへ反らせ、片側だけ収縮すると、そちらのほうへ頭が回転します。

頭半棘筋は、頭板状筋の下にあり、ほぼまっすぐに上下に走って後頭骨と椎骨の後外側を結んでいます。頭を後ろに反らせる働きがあります。

胸鎖乳突筋は、耳の後ろにある骨の出っ張りとその付近から胸骨と鎖骨を結んでいます。左右同時に収縮すると、首をすくめてあごを突き出す形になります。片方だけ収縮すると、顔を反対側へ回しますが、頭全体は前傾しながら同じ方に傾きます。

以上4つの筋肉のほかにも、小さいながらも重要な筋肉がいくつもあります。頚椎と後頭骨をつなぐ「大後頭直筋」「小後頭直筋」、頚椎の外側と後頭骨の外側をつなぐ「上頭斜筋」「下頭斜筋」などです。いずれも頭を後ろに引いて直立に保つ働きをしています。

これらの首の筋肉のこり(首こり)がひどくなると、自律神経に影響し、副交感神経の働きが低下すると考えています。そのために、頭痛や頭重、全身倦怠感、めまい、不眠、イライラ感、動悸、血圧不安定、発汗、目の乾燥など、さまざまな不快な症状が出てきます。正確なメカニズムは現在研究中です。

【関連記事】
■首こり・自律神経失調症よりも危険なケース
■首こりとうつ
■“首こり”から頭痛、めまい、うつ、自律神経失調症が発症する。
☆自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。

自律神経失調症と首こり(首の筋肉)

自律神経失調症は治療の決め手がない?

相反する作用を持つ交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経が変調をきたすと、動悸、めまい、息切れ、手足の冷え、全身倦怠感、頭痛、頭重、肩こり、不眠、イライラ感など、さまざまな症状が現れてきます。

通常の検査をしても、体にはこれといった異常は見当たらない。このような状態を、ひとまず「自律神経失調症」と呼んでいるわけです。

自律神経のはたらきを司っている中枢は、脳の視床下部ということろにあります。この部位には、不安、恐怖、怒り、快・不快などの情動の中枢もあるため、自律神経は感情の影響を受けやすいのです。

緊張すると、動悸が速くなり、トイレに行きたくなるのは誰もが経験していることでしょう。また気持ちが落ち込んだりしたときには、食欲がなくなったり、夜眠れなくなったりします。これは不安や緊張などの感情によって自律神経が大きく影響を受けたことによります。

これまで自律神経失調症の治療は、一般的に、自律神経調整薬などの薬、食事や睡眠などの生活指導、リラックス法、心理療法などが行われていますが、どれも十分な効果が得られなかったのが現状です。

そのために、自律神経失調の症状である不定愁訴をたくさん抱えた多くの患者さんが大病院の外来をワンダリング(病院を渡り歩く)しています。

こうした中、松井医師は、自律神経失調が首の筋肉の異常で起きることを発見し、研究の結果、現在では特定ポイント34か所を突き止め、首の特定ポイントを治療することで自律神経失調症は治療することができるようになりました。

この研究論文(英文)は、2020年1月14日に国際医学ジャーナルである「ヨーロピアン・スパイン・ジャーナル」に、掲載されています(英文)。
◆Cervical muscle diseases are associated with indefinite and various symptoms in the whole body

またその研究内容を元に「メディカルトリビューン健康百科」に記事が掲載されています。
◆不定愁訴治療の鍵は首の筋肉の緊張緩和

このように、首の筋肉のこり(首こり/肩こり)が自律神経に影響を及ぼすことが、自律神経失調症の大きな原因のひとつになっているという発見で、自律神経失調症の治療は大きく一歩前進しました。

【関連記事】
■首こり・自律神経失調症よりも危険なケース

■首こりとうつ

■ “首こり”から頭痛、めまい、うつ、自律神経失調症が発症する。

自律神経失調症とはどのような病気なのですか?

自律神経で体の自動調節が保たれています。

私たちの神経系は、大きく中枢神経系と末梢神経系とに分けられます。
中枢神経は、脳と脊椎から成り立っていて、脳は頭蓋骨に納まり、脊椎は脳から垂れ下がるような形で頚椎の中を通っています。

末梢神経は脳や脊椎に発し体の各部に及んでいる神経で、大きく分けると、体性神経と自律神経の2種類があります。

体性神経はおもに筋肉や骨格に分布し、体の各部の運動機能や感覚機能をつかさどっています。例えば手足を動かす、話をする、食事をするといった筋肉や骨を動かすときや、痛みや、冷・熱感などを脳に伝えるときに働きます。別名「動物神経」とも呼ばれている神経です。

一方、自律神経はおもに内臓や血管、分泌腺などに分布し、消化や呼吸、循環、代謝といった、生命を営んでいくうえで必要な生理機能を調節しており、自分の意思とは無関係に働く神経です。

たとえば動悸がしたり、胃や腸の運動や消化液の分泌量を決めるのも、この自律神経のはたらきによるもので、別名「植物神経」とも呼ばれています。

自律神経はさらにその役割として「交感神経」と「副交感神経」の2種類に分けることができます。交感神経はおもに昼間の活動的なときにはたらく神経で、緊張しているときや危険を感じたとき、興奮したときなどにはたらき、心拍数や血圧を上げ、呼吸数を増やし、血管を収縮させ、目の瞳孔を開き、胃腸のはたらきを抑制したりしています。

これに対し、副交感神経はリラックスしているときや、寝ているときなどにはたらく神経で、交感神経とちょうど反対の役割を果たします。

私たちが意思の力で汗を出したり、心拍を速めたりはできません。これらは自律神経が環境に応じて身体の機能を自動的に調節しており、交感神経と副交感神経がバランスよくはたらくことで、私たちの健康と生命は支えられています。そして、このバランスが崩れた状態が自律神経失調症です。

首の筋肉の異常で起こる自律神経失調症は、常に交感神経が強く、副交感神経が弱い状態になります。ただ、自律神経については十分に解明されているわけではありません。首こりの視床下部(内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢)への関与についても研究途上です。

運動神経より、自律神経のほうが重要であることは、誰もが認めているところです。運動神経がはたらかなくなっても、手足が麻痺する程度ですが、自律神経は生命に関わるような重大な問題が起こります。

自律神経については、今でもわからないことが多かったので、これを専門にする医師も少なかったのです。解剖によっても、まだ正確にはわかっていません。

【関連記事】
■ “首こり”から頭痛、めまい、うつ、自律神経失調症が発症する。

■首こり・自律神経失調症よりも危険なケース

■首こりとうつ

(C)東京脳神経センター

首こりと不定愁訴

動悸、めまい、多汗、不眠、下痢・便秘、ドライアイ・・・つらい症状があるのに、検査をしても異常なし、というケースは少なくありません。こうしたケースでは、検査で異常が認められないため、その症状を緩和する薬の処方だけということが多くなります。

上記のように原因がわからない体調不良を不定愁訴と呼びます。この不定愁訴は広辞苑と医学大辞典にも説明されていますのでご紹介します。

・広 辞 苑:明白な器質的疾患が見られないのに、さまざまな自覚症状を訴える状態。

・医学大事典:自覚症状が一定せず、その時どきによって変化する訴え。動悸、息苦しさ、発汗、頭重、不眠など多種多様であるが、自律神経系が関与する身体的な症状が中心である。幼児期から老年期に至る全ての年齢層にみられるが、初老期(女性では更年期)がいわゆる自律神経失調症にかかりやすいため、特定の病気がなくともしばしば認められる。

そもそも不定愁訴とはどのような状態なのでしょうか?またどういった症状が不定愁訴なのでしょうか?こうした基本的な疑問や、あまり知られていない問題に触れて行きたく思います。

原因不明の病、不定愁訴
頭痛、全身倦怠感(だるい)、慢性疲労(疲れがとれない、疲れやすい)、微熱がある、耳鳴り、めまい、動悸、息切れ、発汗・多汗、冷え性・のぼせ、イライラ、不安感、うつ症状といったさまざまな症状を呈する病気には、神経系、内分泌系の障害や免疫疾患、脳疾患など、重大な病気が存在していることがあります。

繰り返しになってしまいますが、一方でいくら検査をしても、症状の原因となる異常が体の組織や細胞に見つからないことも多いのです。このように、いくつものつらい自覚症状を持ちながら、検査をしてもはっきりとした原因が見つからない症状をまとめて「不定愁訴」と呼んできました。

不定愁訴は“自律神経失調症”の症状です。東京脳神経センターの理事長、松井医師は約30年前に首の筋肉の異常で自律神経失調症を発症することを見つけ、これを「頚筋症候群(首こり)」と呼びました。しかし、その治療法がわからず、試行錯誤の末に2005年、頚筋症候群(首こり)による自律神経失調の症状を改善する有効な治療方法を見つけ出し、完成させるに至っています。

この不定愁訴は、自覚症状があっても、なかなか他の人にわかってもらいにくい、伝えにくい症状であるため、周囲に十分理解してもらえないという特徴があります。そのために、落ち込んだり、ご自身を責めたり、苦悩している方が少なくありません。

あちこちの診療科をめぐったあげく、心の問題だとして、最後にはメンタルクリニックを紹介される方も少なくありません。このような際には、いちど、頚筋症候群(首こり)を疑ってみることをお勧めします。

(関連記事)
■ “首こり”が、 どのように自律神経失調症に影響するのか?
■ 首こり・自律神経失調症よりも危険なケース
■自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。

自律神経の機能を検査する 自律神経ドックを開始しました。


自律神経というのは、身体の多くの働きをコントロールしています。具体的には、自分の意思にかかわりなく臓器や器官を動かす神経で、たとえば脈拍や血圧、呼吸や消化、体温調節など「生命維持」のために必要な機能を調節しています。

この自律神経が乱れると、以下のような諸症状に悩まされることになりますし、美容や仕事にも差し支えることになります。

たとえば美容面ですと、胃腸機能が十分に働かないと消化吸収が阻害されるうえ、栄養を運ぶ血流も滞ることになり、肌(細胞)の生まれ変わり(ターンオーバー)に必要な材料が十分に運ばれません。そのため肌のみならず髪の美しさが損なわれることになります。

また仕事でも、気分の落ち込みやイライラ、焦燥感などで判断力、コミュニケーション力などが低下することにもなりかねません。

<自律神経の機能異常で発症する諸症状>
・慢性疲労 ・めまい(体が奈落に引き込まれる/ふわふわ感/ふらふら感/周囲が回る) ・うつ、気分障害(やる気が出ない/集中力の低下/イライラ・焦燥感/不安) ・胃部不快感 ・食欲不振 ・下痢/便秘 ・動悸 ・血圧不安定 ・多汗 ・冷え/のぼせ ・体温調節異常 ・ドライマウス ・ドライアイ ・目の奥が痛い ・光がまぶしい ・睡眠障害 など

食の改善、運動などに注意をする方が年々増加していますが、自律神経は生命維持の根本であり、自律神経の健康あってこその食や運動とも言えます。

「自律神経ドック」は、生命活動の原点である最も重要な自律神経機能を検査し、体の状態を把握することができる大切な予防医療です。
◆自律神経ドックのページへ

<自律神経関連記事>
自律神経 関連記事「原因不明の体調不良、自律神経が原因かもしれません。」

首こりの問診表の中で、特に女性に多い症状―2  「ふらっとする、めまいがある。歩いていたり立っているとき、なんとなく不安定」

前の記事:女性に多い症状―1  「のぼせ、手足の冷え、しびれ」

■女性に多い症状2:「ふらっとする、めまいがある(問診表5番)。歩いていたり立っているとき、なんとなく不安定(問診表6番)」

頚筋症候群(首こり病)の患者さんは振り返ったり、頭の向きを変えようとしたときや、横になっていた姿勢から起き上がろうとしたときなどに「ふらっとする」と訴えるケースが多く見られます。

また、
「いつも船に乗っているようにフラフラする」
雲の上にいるようなフワフワ感がある
「地面が揺れているように感じる」
など、表現は違いますが、めまいや、ふらつきを感じている人が少なくありません。

なかには
「天井がぐるぐる回るように感じる」
「奈落の底に引っ張られていくようだ」
と訴える人もいます。

そういう方が、耳鼻咽喉科を受診すると「メニエール病」や「メニエール症候群」「良性発作性頭位めまい症」などの診断をされることも多いようです。

メニエール病は、理論的には存在する内耳の病気ですが、数は非常に少ないのです。メニエール症候群は、メニエール病に似た病気ということで、一時は「めまい」はほとんどすべてメニエール症候群で片付けられていました。

首の筋肉が原因のめまいがすべてメニエール症候群に入れられてしまっていたため、東京脳神経センターの松井医師は十数年前から「メニエール症候群という病気は存在しない」と言い続け、耳鼻科の先生方も、実体のないメニエール症候群という言葉は最近では使わなくなりました。メニエール症候群がどのような病気かと尋ねても、正確な答えが出せません。

首の筋肉が原因のめまい(頚性めまい)は、じつは非常に多いのですが、このことは耳鼻科の先生方にあまり知られていません。それは首の筋肉が耳鼻科の守備範囲ではないためです。耳鼻科で治療を受けてめまいが治らなかった人が、個人差はありますが松井医師の治療でおよそ9割以上改善しています。

めまいの多くは「首の筋肉が原因である」と言っても、あながち言いすぎではありません。これは治療の実績が示しています。

頚筋症候群(首こり病)は、メニエール病に症状が似ているのでメニエール病や良性発作性頭位めまい症と診断されるケールが良くあります。メニエール病と言われて治療したけれど治らず、松井医師が診察した結果、頚筋症候群つまり首こり病だった、という方はたくさんいます。

めまいは、まず、首の筋肉を疑ってみることも必要でしょう。めまいは、頚筋症候群のなかでも3大症状のひとつに数えられます。

とくに、外傷でむち打ちになったことのある場合は、めまいが強く現れることがあります。そのような時には、首の筋肉のこり(首こり)を疑ってみるべきだと思います。

また、めまいがあると「吐き気」(問診表7番)をともなうことがあります。吐き気は、めまいのほか、頭痛や、自律神経失調症による胃腸の運動障害でも見られる随伴症状のひとつです。

(問診表解説)「首こり」症状のチェックポイント解説-1