首こりの問診表の中で、特に女性に多い症状―3  「頭が痛い・頭が重い」(首から頭痛)

■女性に多い症状3:「頭が痛い・頭が重い(問診表1番)」
頭痛や頭重は、頚筋症候群の患者さん、とくに女性に非常によく見られる症状のひとつです。

とは言っても、発作のように急激に起こる痛みではなく、ほとんど毎日のように、頭が締め付けられるようなジワーッとした痛みや圧迫感が続くのが特徴です。

患者さんによっては「後頭部から首筋にかけて、突っ張った感じの痛み」「鉢巻きで頭を締め付けられるような痛み」などと表現することもあります。あるいは痛みとして感じなくても「なんとなく頭が重い感じ(頭重感)」「頭が雲に覆われたようにボーッとした感じがある」と表現する人もいます。

このような頭痛は、一般には「緊張型頭痛」と呼ばれています。しかし松井医師を筆頭に東京脳神経センターで首こり病・不定愁訴を診療するドクターたちは「頚性頭痛」とも呼んでいます。

なぜなら、患者さんの首や肩、背中の筋肉を調べてみると、とりわけ首の筋肉に著しい“こり”が見られ、これが頭痛の原因になっていると考えられるからです。この頚性頭痛は“首から頭痛”とも呼べるものです。

こうしたケースが非常に多く、いわゆる頭痛(慢性頭痛)のおよそ70%を占めているのが緊張型頭痛と考えられます。これは、首の筋肉の頭半棘筋(とうはんきょくきん)という筋肉を、大後頭神経(だいこうとうしんけい)が貫いていて、頭半棘筋が硬縮すると、大後頭神経を締め付けて頭痛となって現れます。

そこで、頭半棘筋をゆるませる治療をすると頭痛が止まります。

長時間にわたってパソコンや同じ姿勢で作業を続けている人では、夕方になると痛みがひどくなるケースが多いのも、頚性頭痛(首から頭痛)の特徴です。

なお、同じ頭痛でも、ズキンズキンと血管が脈打つような痛みは「片頭痛」と呼び、現在、首のこりと関係ある片頭痛も見つかっています。この片頭痛は血管の拡張が原因とされていますが、そのメカニズムは解明されていません。

片頭痛は女性に多く見られ、子どもや高齢者に見られないのが特徴です。症状を抑えるためには、神経内科などで適切な治療を受ける必要があります。しかし、これは一時の抑えで、根本治療とはいえません。

いっぽうで、首のこりからくる片頭痛も一部に見られることが臨床からわかってきています。

しかし、これまで経験したことがないような激しい頭痛に見舞われた場合は、くも膜下出血など脳の病気が疑われますので、直ちに病院を受診してください。

(問診表解説)「首こり」症状のチェックポイント解説-1