男性と女性を比べると、不定愁訴で悩んでいるのは、圧倒的に女性です。その要因としてあげられることとして、女性は首の筋力が弱く、基本的に自律神経失調症にかかりやすいからです。
問診表の各項目の簡単な説明を以前させていただきましたが、今回はその問診表の中から女性に多い症状を説明したいと思います。
■女性に多い症状1:頭がのぼせる。手足が冷たい、しびれる(問診表29番)
上半身は熱感を伴う「ほてりやのぼせ」(ホットフラッシュ)があるのに、「手や足は冷たい」という「冷えのぼせ」は、女性によく見られる症状です。また「冷え」だけ「のぼせ」だけの症状を抱えている人はさらに多くなるでしょう。
※問診表は下記
昔はこのような症状は「血の道の病」とされてきましたが、今でいう更年期障害とも似ていて、一般には、女性ホルモンの低下にともなう自律神経の失調症だと考えられています。
しかし、のぼせや冷えの原因は、女性ホルモンのアンバランスだけでなく、それ以上に「首こり」が原因になっていることが実際には多いことを、頚筋症候群の治療を通じて実感しています。
女性は首の筋肉があまり発達していないために、首の筋肉に異常が起こりやすいのがその理由のひとつと思われます。頚筋症候群の、のぼせや冷えは「手足が冷たいだけ」「足の先だけ冷たい」などというように、患者さんによって症状の出方が違っているのが特徴です。
これは、問診表10番の「暖かいところ・寒いところに長時間いられない」という症状ともかかわっています。いずれも自律神経失調症のひとつで、体温の調節機能が障害されていると考えられます。