<首の筋肉はとても“こり”やすい> 首の筋肉がこると、神経や血管を圧迫し、不快な症状を発症する。

【首は重い頭を支えている】
人間の頭はLサイズのスイカほどの重さです。その重さは、およそ6キログラムほど。首はこんなに重い頭を支えているため、首の筋肉は、横になっているとき以外はずっと働いています。

それでも均等に使っていれば問題は起きにくいのですが、パソコンに長時間向かったり、スマホやタブレット、読書、調理、ネイルなどなど、下向きに長時間固定される姿勢を続けていると、15分ほどで首の後ろの筋肉が疲労状態になってしまいます。(首の後ろの筋肉は前回の記事に図を掲載しています

この時に首の筋肉の緊張をゆるめて、酸素と栄養を補給すれば、元気な状態に戻りますが、緊張したままだと、“こり”と呼ばれる状態が生じます。これが「首こり」です。

長い間この状態を繰り返していると、筋肉がガチガチになって石のように硬くなってしまいます。

また、首になんらかの外傷が加わった場合も、首の筋肉に異常が起きることが多いようです。

※下記データを東京脳神経センターにて日本語編集
出典:What Texting Does to the Spine|The Atlantic


【首がこると、神経を圧迫する】
前回の記事の首の筋肉の図からもわかるように、首には、たくさんの筋肉があり、頸椎(けいつい)を複雑に包み込んでいます。その筋肉の間に神経が走っています。

とくに首の後ろの筋肉の隙間には、頭痛(後頭神経痛・緊張型頭痛)を生じさせる大後頭神経が走っていて、首の筋肉の周辺には、脳や脊髄から出た神経の末梢部が縦横に分布しています。

そこで、首の筋肉が異常にこってしまうと、周辺の神経や血管を圧迫し、頭痛や自律神経の失調、それにともなうさまざまな不調などの原因になると考えられるわけです。この首こりによって、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である脳の視床下部の関与の可能性もあります。

日頃より、頭を長時間下向きに固定しない、頭を前に突き出したりせず、バランスの良い姿勢を心がけることが、首こりの予防には何より大切です。また適時、首の後ろの筋肉をゆるめてあげるなど、こうした些細に思えるような取り組みが、重大な体調不良からあなたを守ることになります。

※首こり治療について :東京脳神経センター 首こり病について