死亡原因の3位とされる脳卒中(脳血管疾患)ですが、その脳卒中のリスクを調べる検査として脳ドックがあります。脳ドックで実施する検査にはMRI検査とMRA検査があります。この2つの検査は、それぞれどのようなものかご存知でしょうか?
検査のご説明の前に・・・これまでの記事でご紹介してきたように、脳卒中には脳の血管がつまるタイプと、脳の血管が破れる(出血)タイプの2つの種類があります。どちらも脳の神経細胞が障害され大きな影響を及ぼします。
1:脳の血管が詰まってしまう“脳梗塞”
2:脳の血管が切れて出血する“脳出血”
※脳の動脈瘤が破れる“くも膜下出血”
この脳卒中は死亡原因では第3位(厚生労働省 人口動態統計2017)ですが、寝たきりの主な原因としては第1位(男性/国民生活基礎調査 2018年)となっています。
脳ドックは脳梗塞や脳出血といった脳卒中リスクを早期に発見し、適切な対応につなげることで死亡や寝たきりにならない、健康寿命の実現につなげようというものです。
脳ドックではMRI・MRA検査を使って検査をおこないます。MRI検査は磁力によってあらゆる方向から脳の断面画像を撮影する検査で脳梗塞や脳腫瘍などの発見に適しています。またMRA検査は脳の血管を立体的に映像化する検査で、血管の詰まりなど血管の状態を調べる検査です。MRA検査によってくも膜下出血の原因になる脳動脈瘤や脳動脈奇形なども調べることができます。
【MRI/MRA検査について】
■頭部MRI……脳梗塞、脳内出血、脳萎縮、脳腫瘍等
■頭部MRA……未破裂脳動脈瘤、血管奇形、血管狭窄等
■頚部MRA……頚動脈血栓の有無、動脈硬化の程度等
現在、40代の3人に1人、50代の2人に1人、そして60歳以上ではなんと8割の人が「かくれ脳梗塞」といわれています。死亡リスク、寝たきり・要介護リスクを低減するためにも、「脳神経外科・神経内科」など専門医が在籍し、そこで画像診断している施設での脳ドックをおすすめします。なぜなら、もしも緊急を要する疾病や経過観察が必要な症状が発見された場合に、読影を担当した脳神経外科医・神経内科医の診察をすぐに受けたり、迅速な処置を受けることが可能です。
さらには認知症の疑いについても、迅速に脳波検査をはじめ必要な検査をお受けいただくこともできるからです。
■脳・神経・病理/腫瘍のエキスパートが集結。脳・神経の疾病リスク検出から、がん、脳梗塞、心筋梗塞リスクまでカバーできる脳ドック